2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792218
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
足立 智美 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50377735)
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Keywords | 妊婦 / 姿勢 / マイナートラブル |
Research Abstract |
本研究の目的は、本研究の目的は(1)成人女性と妊婦の静的立位姿勢の実態調査、(2)妊婦の姿勢とマイナートラブル・産科異常との関連を明らかにすることである。 2年目である平成23年度は成人女性37名、妊婦24名の調査を実施した。妊婦の調査は妊娠前期、後期、産後1か月時の3回に同一女性を対象に調査を実施した。調査内容はBioTonix社製の姿勢評価システムであるBioPrintを使用した姿勢分析、徒手筋力計を用いて腸腰筋力・大殿筋力・中殿筋力の測定、質問紙調査である。成人女性37名の内33名を分析対象とした。妊婦24名の内21名を分析対象とした。 その結果、成人女性33名の年齢は29.6±5.4歳(22歳~40歳)、身長157.0±5.4cm、体重50.2±7.3kgであった。矢状面での骨盤の傾き(上前腸骨棘・上後腸骨棘とを結んだ線と水平線との角度)は10.9±5.8度であった。妊婦21名の年齢は34.0±4.5歳、身長159.0±5.3cm、前期体重50.1±4.9kg、後期体重59.7±6.5kg、産後体重53.9±6.1kgであった。骨盤の傾きは前期103±4.8度、後期12.4±5.1度、産後9.5±5.1度であった。妊婦の出産方法は経腟分娩12名(57.1%)、予定帝王切開術6名(28.6%)、緊急帝王切開術3名(14.3%)。医療者から運動に関する指導を受けた者は妊娠前期3名、後期6名、産後0名であった。運動習慣がある者は妊娠前期3名、後期8名、産後0名であった。 結果:(1)成人女性と妊婦の姿勢において骨盤の傾きに有意な差はなかった。成人女性と妊婦に対して「いい姿勢」をとるよう指示すると骨盤の傾きが増加し後傾した。姿勢の自己評価によって骨盤傾きには差がなかった。妊婦の骨盤の傾きは妊娠後期に最も後傾を示す傾向にあった。妊娠経過に伴って腸腰筋力が有意に増加していた。 (2)妊娠後期の骨盤の傾きと臀部痛とに有意な正の相関がみられた。産後は骨盤の傾きと腰痛とに正の相関がみられた。妊婦の骨盤の傾きと分娩所要時間、出血量、児体重との間に有意な相関はみられなかった。
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