2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児がんの子どもを持つ親のレジリエンス促進ケアプログラムの検討
Project/Area Number |
22792226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河上 智香 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30324784)
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Keywords | 小児がん / レジリエンス / 親 |
Research Abstract |
治療法の改善に伴い,小児がんの生存率は高くなっている.しかし発達途上にある子どもは,入院や治療に伴う制限の中で,身体的苦痛や生活環境の変化などを経験しながらも発達課題に取り組んでいる.さらに治療終了後も治療による後遺症である「晩期障害」を含む様々な問題が生じるリスクが潜在し続ける.小児がんのこどもをもつ家族にとっても,子どもの診断に伴う衝撃や不安,家族内の役割の変化,経済的問題といった変化が生じる.そのため小児がんの子どもへの看護には,子どもの救命だけでなく,生活の質(QOL)を上げるために診断から長期にわたって提供される医療が重要であり,子どもと家族が前向きにいられる精神面へのサポートが強く求められる.本研究では,小児がんに罹患した子どもを抱える親の心理的適応を高める看護について,初年度の計画に基づき面接調査に向けた準備を行った.(1)小児がんの子どもと親及びレジリエンスに関する研究動向:国内外における関連文献を検索収集し,分析および検討した.また国内外において小児がん関連学会に参加し,資料の収集や研究者との交流によって最新の知見が明らかにされ,今後の方向性に対する示唆を得た.(2)小児がんの子どもを抱える親への面接準備:看護師,医師,大学教員,スーパーバイザーからなる研究会を開催し議論を重ね,面接ガイドを作成した.面接技法向上のため,面接実施予定者に対する研修を実施した.現在研究のフィールドを確保しており,研究倫理審査委員会に申請中である.研究倫理員会で承認を得られたのち面接を開始する計画である.
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