2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22792230
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
川島 美保 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (90380328)
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Keywords | 発達障害 / 小児 / 調和 / 小児看護 / 家族看護 |
Research Abstract |
本研究は、発達障害をもつ子ども・家族との調和を生む看護の中範囲理論構築を行い、看護における発達障害児への支援の質の向上に寄与することを最終目的とする研究の一部として、発達障害をもつ子どもとその家族の調和がどのようなものかを明らかにすることである。 本研究は、発達障害の子どもの家族への半構造化面接を行い、修正版グラウンデッドセオリー(M-GTA)を用いた質的研究である。 23年度は、本調査に先立ち、関連する研究論文や書籍を収集し文献検討を行った。次いで、研究者の発達障害に関する知見を深めるために、発達障害に関する国内及び海外の有識者の講演・セミナーに参加し、発達障害の子どもの特徴や周囲や家族の関わり方についての理解を深めた。その中で、ESSENCE徴候(全般的な発達の遅れ、言語発達の遅れ、運動制御の問題、知覚・感覚の問題、活動の問題、不注意、祉会的相互作用、一般的行動、感情または睡眠の問題)を呈しているすべての子どもは、フォローアップされる必要があり、特に、学校の入学や大きな人生の転機に当たっての"再-診断"が考慮されるべきであること。親や、その子どもに"関わる"すべての人が、ESSENC8についての最良の教育を必要としており、社会が態度を変える必要がある(世界中で、同じように問題を認識し、違うやり方で)ことが分かった。 発達障害の子どもと親との相互作用を明らかにすることは、社会的相互作用に関する知見にも影響し、肯定的な社会的相互作用を検討する一助となると考えられる。 この他、県内の発達障害に関する有識者との意見交換や本調査のデータ収集を行うための県内のフィールド開拓を行った。 主な業績では、健康と環境、調和をテーマにした短編を収録した「生きる力となるもの」(共著)を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
元々年度の後期は実習を含む教育にかかる時間がほとんどで、研究については前半に集中的に行う予定であったが、23年度は、前期に東日本大震災支援活動に関わったこともあり、申請時点の見込みより、教育・大学運営・地域貢献にかかる時間が増え、研究のエフォート率が減少した。その中で、共同研究活動のエフォートが増加したため、個人の研究活動のエフォート率が減少したことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は、2年目で結果をまとめ、3年目は主に研究成果の公表にあてていた。今後の予定では、6月に倫理審査を受け、承認後より即データ収集・分析をすすめ、今年度中に研究成果を創出予定である。そのため、今年度中に研究成果の公表は難しいと思われるが、研究成果の創出は可能であり、研究自体の目的に即した知見を得ることはできると考えている。
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Research Products
(9 results)