2012 Fiscal Year Annual Research Report
小児が共有する玩具における適切な衛生管理方法の検討
Project/Area Number |
22792235
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
中畑 千夏子 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (60438174)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 小児看護 / 玩具 / 衛生管理 |
Research Abstract |
小児が集団生活を営む場では、集団感染の報告が後を絶たない。このような場では、環境や物を介した交差感染も生じ得る。特に玩具は複数の小児が触れる機会が多く、集団生活では病原体伝播の媒体となる可能性がある。 これまでに、玩具の種類や配置場所(小児病棟、保育所等)の違いによる玩具の汚染度や、検出菌について明らかにしてきた。そこで今年度は、玩具を複数人が共同使用した場合に、由来の異なる複数の菌株が検出されるかについて検証し、玩具を介した感染リスクを検討した。 具体的には、まずはじめに消毒済みの玩具を成人5名が交替で15分間接触した後、玩具表面を卵黄加マンニット食塩寒天培地に押し当て、一昼夜、培養した。そこからCoagulase negative staphylococci(CNS)と肉眼的に判断したコロニーを選び、SCD寒天培地上に分離し、培養した。その後各菌株について、菌種の同定を行い、表皮ブドウ球菌を分別した。さらにDNA抽出用試薬を用いて同定されたすべての表皮ブドウ球菌からDNAを抽出し、Variable-number tandem repeat analysis(VNTR)領域であるSe1~Se4についてPCR法による増幅を行った後、Multiple-locus variable-number tandem repeat analysis(MLVA法)による解析を行ったところ、分離された表皮ブドウ球菌の9株から8種類の異なる菌株が識別された。 したがって、複数人による玩具の共同使用により、これを介したヒトからヒトへの細菌伝播が生じていることが明らかになった。このことより玩具の共同使用は交差感染を来たす可能性があると言えるため、小児が共同使用する玩具については特に衛生管理の徹底や、適切な使用法に関する検討を十分に行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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