2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本で生活する外国人の保健医療福祉サービス利用に関わる文化変容尺度の開発
Project/Area Number |
22792276
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
呉 珠響 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (80511401)
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Keywords | 文化変容 / 外国人登録者 / 看護学 |
Research Abstract |
2009年の外国人登録者数は約220万人であり、10年前と比較すると1.4倍増加している。日本に定住する外国人の増加に伴い、様々な場面で看護職が彼らに関わる機会が増えている。外国人の多くが保健医療福祉サービスを利用する際に直面する問題として、言語などの日本文化への適応や文化の受け入れなどがあげられる。文化への適応や受け入れについては、平野が在日フィリピン人労働者の受診行動について、受診行動を抑制する7つの要因を明らかにし、その一つとして、言語的な問題により自分の症状を説明しにくいことをあげている(平野、1998)。欧米諸国では、文化変容と身体的健康、精神的健康、ヘルスサービスのそれぞれとの関係についての研究がなされてきた(Talya,et.al,2003)。日本でも外国人の保健医療福祉サービスの利用を困難にする要因の一つとして、医療職が彼らの文化変容のレベルやプロセスの理解が十分でないことが考えられる。看護職が外国人のニーズを把握し看護を提供するためには、彼らの文化変容をアセスメントの一項目として捉えることが必要である。そこで、本研究は、日本で生活する外国人の保健医療福祉サービスの利用状況と文化変容の実態について明らかにするとともに、日本で生活する外国人の文化変容尺度を開発することを目的とした。 平成22年度は、文化変容の概念を明らかにすること目的とし、国内外の先行研究の文献検討を行った。文献検討では、看護学、公衆衛生学、社会学、文化人類学、心理学分野の文献を検索して収集し、分析を行い、学会や研究会で発表した。また、国内外の先行研究から、移民のホスト国における文化変容のプロセスを把握するとともに、文化変容に関連した既存尺度の項目を検討した。
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Research Products
(1 results)