2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792298
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
糠信 憲明 広島国際大学, 看護学部, 講師 (20412348)
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Keywords | 精神科 / 感染対策 / 感染管理 |
Research Abstract |
精神科病床における感染対策の特殊性と課題を明らかにするために、3施設の看護師を対象に行った質問紙調査の結果を探索的に分析した。その結果、精神科における感染対策が"十分である"と考える看護師の割合は「大変そう思う」・「ややそう思う」を合わせて19.1%であったのに対し、"十分ではない"との回答は「全くそう思わない」「あまりそう思わない」を合わせて51.6%であった。また、感染対策についての関心は「とてもある」・「どちらかといえばある」を合わせると86.6%が"関心がある"と回答していた。 精神科における感染症についての認識では、接する頻度が高い感染症として「白癬」と「誤嚥性肺炎」が挙げられた。特に「誤嚥性肺炎」では"重要性"および"対応の難しさ"で最も高い群に属しており、この要因として高齢社会の進展に伴い増加している認知症を持つ患者の受け入れを、精神科病床において行わざるを得ない状況があるものと推察される。精神科における感染対策の特殊性についてP-mSHELLモデルの6要素を基に尋ねたところ、「患者要因」が88.9%で最も多く、「環境要因」が77.0%で次いだ。また、感染対策への取り組みについて小規模病院では"人的配置の難しさ"、大規模病院では"多くのスタッフの意思統一の難しさ"など、病院の規模によって難しさや課題となる事柄が異なることが示された。今後は感染管理の専任者の配置やサーベイランス実施の有無などについて調査を行い、精神科病床の規模や背景を踏まえて分析していく必要がある。
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Research Products
(5 results)