2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22792298
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
糠信 憲明 広島国際大学, 看護学部, 講師 (20412348)
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Keywords | 精神科 / 感染対策 / 感染管理 |
Research Abstract |
精神科における感染対策の特殊性と課題を明らかにするために、3施設に勤務する看護師を対象に行った調査結果について、分析を行った。病床数の違いによる感染対策の難しさでは、「病床数が少ない病院では感染対策を行いやすい」という項目について、"どちらともいえない(35.5%)"、"あまりそう思わない(20.7%)"、"全くそう思わない(11.2%)"の回答であった。一方、「病床数が多い病棟では感染対策を行いやすいと思う」との質問では"あまりそう思わない(36.1%)"、"全くそう思わない(19.8%)"と、肯定的な回答に比べて否定的な回答が多かった(p<0.05)。また、病棟で感染対策に携わる看護師からは、病院内で十分な権限が認められていないこと、他のスタッフからの理解や協力を得ることが難しく、実際の活動や啓蒙を行うことが難しいとの回答が得られた。また、事務サイドから経済的な問題を理由に協力が得られていないといった問題も明らかとなった。 我が国における精神科の病床数は総病床数の21.7%を占めるものの、精神科領域に配分される診療報酬は7.7%と十分ではない。我が国の保健医療における経済状態は厳しいが、安全な医療を提供するうえで必要な対策を行うための人的資源や物的資源に対する予算措置は必須のものであるといえる。 本調査における「病院外に感染対策のコンサルテーションを行える組織があった方が良い」との質問には、60%以上の看護師が「そう思う」と回答しており、今後は精神科病院の地域ネットワーク構築の必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)