2011 Fiscal Year Annual Research Report
FM-CWレーダー電離圏観測システムを用いた電磁波動の伝搬特性解明
Project/Area Number |
22840033
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 昭大 九州大学, 宙空環境研究センター, 講師非常勤研究員 (90582833)
|
Keywords | 電離圏 / 短波レーダー / 地磁気脈動 / 電磁波動 / 磁気圏-電離圏 / 電場 |
Research Abstract |
平成22年度の研究では電離圏-地上を研究の対象領域とし、Pc5周期帯(1.7~6.7mHz)地上磁場変動(脈動)は電離圏の電場(電流)によって励起されている事がわかった。平成23年度ではさらに、電離圏や地上までの脈動の侵入過程を明らかにすることを目的とし、太陽風の影響を直接受け、電離圏の上部に広がる磁気圏も研究の対象領域とした。 磁気圏で観測される脈動を特定するため、JAXA(航空宇宙研究開発機構)の人口衛星「きく8号」が静止軌道(高度約36,000km)低緯度で観測した磁場変動データを解析した。人工衛星の磁場観測データは脈動がトロイダルモード(磁力線の方位角方向の動き)であるか、ポロイダルモード(磁力線が圧縮する動き)であるか区別する事ができ、発生要因が異なると考えられる2つのモードをそれぞれ分けて議論する事ができる。また、静止軌道の低緯度ではPc5より周波数の高いPc4(6.7~22mHz)が観測されやすいため、Pc4を研究の対象とした。 結果、トロイダルモードは夕方の時間帯でよく発生し、ポロイダルモードは昼側でよく発生する事がわかった(2011AGU fall Meeting, San Francisco, USAにて報告)。この事から、トロイダルモードは磁気圏と太陽風のプラズマの速度差で励起されるKelvin-Helmholtz不安定性が発生要因、ポロイダルモードは磁気圏境界の前面(太陽側)に存在する衝撃波付近で発生する波動が励起源と考えられる。さらに今後は、それぞれのモードが磁気圏内で特定された時の地上でのPc4の発生を調べ、磁気圏から地上までの脈動の伝搬経路を明らかにする。脈動現象の伝搬経路が明らかになれば、磁気圏の構造理解に大きく貢献できる。さらに、これまの電離圏-地上の研究と併せ、磁気圏-電離圏-地上の多圏間相互作用を理解することができる。
|
-
-
[Journal Article] AKR modulation and global Pi2 oscillation2011
Author(s)
Uozumi, T., K.Yumoto, T.Tokunaga, S.I.Solovyev, B.M.Shevtsov, E.Marshall, K.Liou, S.Ohtani, S.Abe, A.Ikeda, K.Kitamura, A.Yoshikawa, H.Kawano, M.Itonaga
-
Journal Title
J.Geophys.Res.
Volume: (Web)
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
[Presentation] Long period Ionospheric Electric and Magnetic Field Variations Observed by FM-CW Radar and MAGDAS2011
Author(s)
Ikeda A., K.Yumoto, Y.Kakinami, M.Shinohara, K.Nozaki, T.Nagatsuma, A.Yoshikawa, B.M.Shevtsov, V.V.Bychkov, Q.M.Sugon, Jr, D.McNamara
Organizer
IUGG 2011
Place of Presentation
Melbourne, Australia(ポスター)
Year and Date
2011-07-04
-
-
-
[Presentation] FM-CWレーダーとMAGDASによって観測された長周期の磁場・電場変動2011
Author(s)
池田昭大, 湯元清文, 柿並義宏, 篠原学, 野崎憲朗, 長妻努, 吉川顕正, B.M.Shevtsov, V.V.Bychkov, Q.M.Sugon, Jr., D.McNamara
Organizer
日本地球惑星科学連合2011年大会
Place of Presentation
千葉県千葉市(ポスター)
Year and Date
2011-05-26
-
[Presentation] 高緯度から磁気赤道域における磁気急始(SC)の磁場振幅の季節依存性について2011
Author(s)
新堀淳樹, 辻裕司, 菊池崇, 荒木徹, 池田昭大, 魚住禎司, S.I.Solovyev, B.M.Shevtsov, E.E.S.Otadoy, 歌田久司, 長妻努, 湯元清文
Organizer
日本地球惑星科学連合2011年大会
Place of Presentation
千葉県千葉市(口頭)
Year and Date
2011-05-26
-
-
-
-
-