2010 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨骨膜に特異的に発現する遺伝子の探索と顎骨骨膜の機能解析
Project/Area Number |
22890186
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
南保 友樹 昭和大学, 歯学部, 助教 (30585667)
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Keywords | 歯科 / 再生医療 / 移植 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
顎骨は、発生学的に外胚葉神経堤由来であり他の骨と由来が異なる事が云われている。また歯科臨床的にも、抜歯後の治癒にみられるように、口腔内の骨の治癒は一般的に他の部位に比べて早い事が云われ、Quartoらは神経堤由来の前頭骨は中胚葉由来の頭頂骨に比べ有意に創傷の治癒が早いと報告している(Journal of Bone and Mineral Research2009;Epub ahead of print)。また、骨膜は強靭な線維性の被膜で、線維層と骨形成層から構成される。胎生期から青年期に至るまでは、骨形成層に存在する骨原性細胞が骨芽細胞に分化し、骨の表面に骨質を新生することによって骨の幅径の成長を営んでいるが、骨の成長が終わると多数の細血管を骨質の中に送り込んで、栄養供給を補助している。しかし、成人においても骨折や手術で骨が損傷を受けると、骨膜は造骨機能を発揮し骨質の新生を行うことから、その再生能力は以前から注目されている。Horiuchiらは、骨膜が骨再生に重要であると報告している(Journal of Bone and Mineral Research1999;14(7):1239-1249)。また、Colnotらは、頚骨の骨膜を採取し、それを骨補填材として使用した報告がある(Journal of Bone and Mineral Research2009;24(2):274-282)。さらにMizunoらは骨膜を培養し、それを根分岐部骨欠損に移植した結果、欠損部に骨が再生したと報告している(Mizuno D et al.Clinical Oral Implants Research2008;19(3)=289-294)。 しかしながら、神経堤由来の顎骨における骨膜が、由来の違う骨における骨膜と性質が異なるという報告はなく、比較した研究も認められない。そこで本研究では、まず顎骨の骨膜が遺伝子発現において特異的な特徴を持っているかDNAchipによって観察し、次いでIn vivoでの骨膜移植実験等を行い、顎骨骨膜の特異的な機能を明らかにし、顎骨特異的な再生療法の開発を行いたいと考えている。
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Research Products
(3 results)