2022 Fiscal Year Annual Research Report
A study of three-dimensional characteristics of middle atmosphere general circulation and wave hierarchical structure and its intra-seasonal to inter-annual variations
Project/Area Number |
22H00169
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 薫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90251496)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 武也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究プログラム), 研究員 (20648638)
渡辺 真吾 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), センター長代理 (50371745)
高麗 正史 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80733550)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 中層大気 / 大気大循環 / 重力波 / ロスビー波 / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
昭和基地に設置された南極大型大気レーダーPANSYレーダーを軸とする国際協同大型大気レーダー観測網で捉えた、全中性大気重力波変動の高解像大気大循環モデル再現データを用いて鉛直波数スペクトルの研究を行い、その形状には、平均風の鉛直シアーによる鉛直波数およびエネルギーの変化も重要であることを解明した。PANSYレーダー観測で捉えた大気重力波を対象に領域モデルを用いた再現実験を行い、観測データとの比較によって、運動量フラックスや鉛直風擾乱の再現に関するモデルの解像度依存性を調べた。全中性大気の約20年の再解析データを作成し、事例解析にとどまっていた赤道域中間圏・下部熱圏の季節内振動の統計解析を行った。卓越時期、中高緯度への広がりを突き止め、振動の駆動には2次重力波や重力波水平伝播の重要性を示唆する結果を得た。PANSYレーダーの多機能性を生かした特殊観測により、ケルビン・ヘルムホルツ渦の構造を検出し、これが非線形性の高い大気重力波や低気圧に伴うシアー不安定によることを突き止めた。さらに、南極周辺域で時折見られる下部対流圏まで到達するような強い対流圏界面の折れ込み現象の発生機構を数値実験に基づき理論考察した。南極大陸斜面の強い放射冷却が主要な要素であることが解明された。 高解像JAGUARを用いた再現実験を実施し、2019年2月に生じた成層圏突然昇温の前後に見られた極渦の変形・分裂にともなう大気重力波の分布や性質の変化に関して3次元可視化ならびにレイ・トレーシング解析を行った論文を発表し、プレスリリースを行った。 昨年度に完成させた3次元ラグランジュ流理論における定在波のストークスコレクションの理論的意味を確認し、これを基に成層圏大循環の浅い循環の3次元構造の解析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
定在波のストークスコレクションの分離方法について問題があることがわかったため、繰越を行ったが、問題が解決され整合的な解析を進めることができた。他の課題についても計画以上に順調に進展しており、論文も11編出版することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究代表者がPIを務める、国際共同キャンペーン観測・データ同化システム開発および長期再解析データ創出・重力波解像大循環モデルによる再現実験からなる国際共同プロジェクトICSOM(Interhemispheric Coupling Study by Observations and Modelling)の論文を仕上げ出版する。ICSOMの国際共同観測を実施した7つの期間についての重力波解像大気大循環モデルを用いたシミュレーションを実施し、それを基に、北半球冬季成層圏突然昇温および極渦強化現象に伴う夏半球との結合における重力波の役割を定量的に解明する。また、データ同化により作成した20年近い長期再解析データを用いて解析を進め、南半球成層圏に起点を持つ南北両半球結合の理解を深める。超高解像モデルを用いた昭和基地上空の地形性重力波の再現実験を行い、これに伴い現れる非線形性の高い現象を明らかにしその力学を解明する。構築した3次元理論を用いて各種データを解析し、下部成層圏におけるラグランジュ流の3次元構造を明らかにする。
|
-
-
-
[Journal Article] LODEWAVE (Long-Duration Balloon Experiment of Gravity WAVE over Antarctica)2023
Author(s)
Tomikawa, Y., K. Sato, Y. Saito, I. Murata, N. Hirasawa, M. Kohma, K. Nakashino, D. Akita, T. Matsuo, M. Fujiwara, T. Kaho, and L. Yoshida
-
Journal Title
Journal of Evolving Space Activities
Volume: 1
Pages: 14
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
[Journal Article] Mesospheric ionization during substorm growth phase2022
Author(s)
Murase, K., R. Kataoka, T. Nishiyama, K. Nishimura, T. Hashimoto, Y. Tanaka, A. Kadokura, Y. Tomikawa, M. Tsutsumi, Y. Ogawa, H. Uchida, K. Sato 他15名
-
Journal Title
Journal of Space Weather and Space Climate
Volume: 12
Pages: 18
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Global Atmospheric System Probed by Close Observations of Antarctic Atmosphere2022
Author(s)
Sato, K., M. Tsutsumi, T. Nakamura, T. Sato, A. Saito, Y. Tomikawa, K. Nishimura, M. Kohma, T. Hashimoto, M. K. Ejiri, T. T. Tsuda, T. Nishiyama, M. Abo, T. D. Kawahara, A. Mizuno, T. Nagahama, H. Suzuki, R. Kataoka and Y. Tanaka
Organizer
The 13th Symposium on Polar Science
Int'l Joint Research
-