2022 Fiscal Year Annual Research Report
Supply Platform of Short-lived Radioisotopes
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22H04924
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊永 英寿 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (00435645)
石岡 典子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 部長 (30354963)
永津 弘太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, グループリーダー (30531529)
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
神田 浩樹 大阪大学, 核物理研究センター, 講師 (40321971)
羽場 宏光 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 室長 (60360624)
福田 光宏 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (60370467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 放射性同位体 / 短寿命 / 加速器 / アルファ線核医学治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年とみにその需要が増加してきた基礎開発・研究用放射性同位体(以下、研究用RIと称する)の年間を通じた安定な供給とその安全な取り扱いのための技術的な支援を行うことにより、物理、化学、生物学の基礎研究から、工学、農学、薬学、医学分野の応用 研究に至る幅広い研究分野の多様な研究者のニーズに応え、研究用RIを用いた先進的な研究や学際的な研究が格段に発展するための研究支援基盤を形成することを目的とする。 本事業の実施にあたっては、日本を代表する加速器施設が相補性を生かして緊密に連携することによって、様々な研究用RIを速やかに供給することにより研究者の利便性を格段に改善する。
令和4年度上半期のRI供給に向け、令和3年12月16日から約1か月間の課題募集期間を設定して令和4年2月に課題選択委員会を実施し、さらに令和4年6月から1.5か月間の課題募集期間を設定して令和4年8月に課題選択委員会を実施した。これらの課題募集と選択を通して34課題の科研費課題にたいしてRI供給を行った。これらの課題は放射線計測学、核化学、薬学、核医学など幅広い範囲の分野にわたっているが、最近注目を集めているアルファ線核医学治療に必要なアルファ線放出核であるAt-211の需要が特に大きかった。当プラットフォームを構成する6施設のうち4施設がAt-211の製造を可能としており、それぞれの施設より供給を実施した。 また、RI利用を行う研究者、技術者の人材育成を目的とした講習会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度下期からは加速器の運転におけるコストの多くを占める電力料金の高騰が大きく影響し、加速器運転の継続が困難となる施設も発生してきた。プラットフォームとしては予算内でのベストエフォートで対応を行っているが、供給回数・量の減少が免れられない状況となった。QST量医研の加速器のトラブルからの回復はまだ目途が立っておらず、RCNPの加速器のコミッショニングが進んでいるとはいえトータルのRI供給能力への影響は大きい状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きRI供給を希望する科研費課題に対してRIの製造と供給を行ってゆくが、電力代の高騰は今後も続くと考えられることから、RI製造および供給コストに対して利用者からの負担を求める手段を検討する。アンケートではRI供給に対する金銭的負担を受け入れると表明する利用者がほとんどであったことから、大きな混乱はないものと考えている。放射線規制上の「販売の業」に対する対応を適切に行った上で、料金収集に向けた準備を進める。
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Research Products
(11 results)