2023 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated analyses of LUBAC-mediated linear ubiquitination
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22H04988
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 一宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (60252459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森信 暁雄 京都大学, 医学研究科, 教授 (10294216)
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Project Period (FY) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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Keywords | 炎症シグナル / 直鎖状ユビキチン鎖 / 自己免疫疾患 / 自己炎症性疾患 / グリコーゲン代謝異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では研究代表者が発見し、発展させてきた直鎖状ユビキチン鎖、LUBACの研究の中で、未解明の機能発現メカニズム、LUBACの新たな機能、疾患研究への展開を目指して、研究を推進している。2年目である本年度は以下の3項目から研究を推進し、以下の結果を得た。1) 直鎖状ユビキチン鎖生成亢進による自己免疫疾患の発症機構ではLUBACの機能亢進によってマウスで全身性エリテマトーデス(SLE)が発症すること、LUBACを活性化するHOIL-1Lの遺伝子多型がヒトSLEのヒトSLEの疾患感受性遺伝子であることをJCI insight誌に発表した。2) 直鎖状ユビキチン鎖を選択的に切断する酵素であるOTULINの両遺伝子座の変異よって、ORASと称される自己炎症性疾患が発症することが報告されていた。北海道大学の症例を解析し、片アレルの変異でもドミナントネガティブ変異体でORASが発症することを示した。また、LUBACの機能低下に起因する自己炎症性疾患には2つのタイプがあるが、LUBACサブユニットの変異では免疫不全+自己炎症性疾患、OTULIN変異では自己炎症性疾患のみという異なる表現系を示す理由はNF-kappaB活性化抑制の有無であることを示した( J Exp Med印刷中)。3) HOIL-1L変異のゲノム変異はSLE以外にも異常グリコーゲンの蓄積によるポリグルコサン小体ミオパチーを呈する患者が報告されている。HOIL-1LはLUBACのサブユニットの1つで直鎖状ユビキチン鎖生成に寄与しているが、HOIl-1Lも酵素活性を有する。申請者らはHOIL-1Lの変異によってグリコーゲン代謝異常が生じるメカニズムを解析し、グリコーゲン代謝異常は直鎖状ユビキチン鎖生成能ではなく、HOIL-1Lのリガーゼ活性の欠失によって惹起されることを明らかにした(Acta Neuropathol 2024)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感染への寄与については、申請者の仮説を検証できず、やむなく研究を中止したが、他の項目については、すでに論文が出版、受理されているなど、順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
感染への寄与の研究は中止したが、それ以外の研究については当初の計画にそって推進する。
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Research Products
(12 results)