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2022 Fiscal Year Research-status Report

近代美学と古典弁論術-弁論術の崩壊と再構築

Research Project

Project/Area Number 22K00124
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

渡辺 浩司  大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50263182)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊達 立晶  同志社大学, 文学部, 教授 (30411052)
田之頭 一知  大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (40278560)
井奥 陽子  東京藝術大学, 美術学部, 研究員 (60836279)
井上 由里子  静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70601037)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords弁論術 / レトリック / 美学 / 演劇学 / キケロー / ノヴァリナ
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題は3年間の計画である。本年度は初年度目にあたり、研究課題に関連する諸問題を明らかにするとともに、研究組織内でこうした諸問題を共有し、研究の基盤を整備することに努めた。美学と弁論術に関連する問題を概括すると同時に、演劇学と弁論術との関係について焦点を当てて、合計2回の研究会を開催した。8月27日に1回目の研究会を開催し、渡辺浩司が「美学と弁論術」というタイトルで研究課題の問題点を示し、井上由里子が演劇の観点から身体表現とレトリックについて発表した。また12月18日の2回目の研究会では、桑原俊介先生(上智大学)を招聘し、近代美学の観点から弁論術と美学の関係について講演していただいた。これら2回の研究会で、美学と弁論術の関係における歴史的理論的な諸問題が浮かび上がった。これらは研究成果としてはまだ発表されていないが、次年度から順次発表していく予定である。
また16世紀の思想に多大な影響を与え、20世紀においてもパノフスキーによって着目されたキケローの『弁論家』の一部(33節から49節まで)を渡辺浩司が翻訳し公開した。演劇学と弁論術の関係については、日常の身体と演劇の身体の違いについて井上由里子が国際学会で1回、国内の学会で1回、研究発表を行った。日常の弁論術的な規則的硬直的な身体運動から、演劇・ダンスの運動による解放を通して、演劇的な自然本来の身体活動へと転化する様が明らかにされたとともに、逆に日常の身体の運動の背後にも脆さがあることが指摘された。また演劇学と弁論術の関係については、井上由里子が6本の論文を、田之頭一知が1本の論文を公表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度は夏と冬に研究会を開催し、研究組織内で美学と弁論術に関する問題点を共有し各自がそれぞれの個別研究を実行するための土台ともいうべきものを共有することができた。研究組織全体としての研究上の問題点、研究の進め方も明確になった。これらの研究成果は、今後、国内外の学会や研究科で発表し、公表していく予定である。本年度の研究成果は翻訳1本と論文7本であり、すでに演劇学と弁論術の関連での成果が出ている。

Strategy for Future Research Activity

2年度目も夏と冬に研究会を開催し、研究組織内で情報を共有するとともに、研究代表者と研究分担者は各自の研究分野においてそれぞれの役割にしたがって研究を進める。2年目は文芸学ないし音楽学と弁論術との関係に焦点を絞り研究会を開催する予定である。また研究組織内から最低1名が国際学会で研究発表を行い、研究成果を公表する予定である。キケローの『弁論家』を翻訳し注解する作業は引き続き継続する。さらに弁論術の一分野で近年注目を集めている研究分野であるエクフラシスにつていも基本文献の読解をし、翻訳・注解をする作業に取りかかる。

Causes of Carryover

国内での資料調査・研究打ち合わせを予定していたが、オンラインによる資料調査・会議という形式をとったため交通費会議費複写費を使う必要がなくなった。次年度使用額については、今年度新たに研究分担者を1名追加する予定であり、新しい研究分担者の分担金の一部として次年度使用額を使用する計画である。

  • Research Products

    (12 results)

All 2023 2022

All Journal Article (8 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] キケロー『弁論家』(2)2023

    • Author(s)
      渡辺浩司
    • Journal Title

      大阪大学大学院文学研究科紀要

      Volume: 63 Pages: 97-114

    • Open Access
  • [Journal Article] 俳優の個性に照らされて2023

    • Author(s)
      井上由里子
    • Journal Title

      ふらんす

      Volume: 2023年1月号 Pages: 54-55

  • [Journal Article] 夢かうつつか-ポムラとピィの童話劇2023

    • Author(s)
      井上由里子
    • Journal Title

      ふらんす

      Volume: 2023年2月号 Pages: 54-55

  • [Journal Article] 作者はだあれ-モリエール生誕400年の『守銭奴』2023

    • Author(s)
      井上由里子
    • Journal Title

      ふらんす

      Volume: 2023年3月号 Pages: 54-55

  • [Journal Article] ピーター・ブルックと現代演劇2022

    • Author(s)
      井上由里子
    • Journal Title

      ふらんす

      Volume: 2022年10月号 Pages: 54-55

  • [Journal Article] 蜜蜂とともに2022

    • Author(s)
      井上由里子
    • Journal Title

      ふらんす

      Volume: 2022年11月号 Pages: 54-55

  • [Journal Article] 取材からはじまる演劇創作2022

    • Author(s)
      井上由里子
    • Journal Title

      ふらんす

      Volume: 2022年12月号 Pages: 54-55

  • [Journal Article] ミュージカル映画の物語論的研究:ミュージカル・ナンバーと物語の関係性2022

    • Author(s)
      田之頭一知
    • Journal Title

      塚本学院教育研究補助費研究成果報告集

      Volume: 28 Pages: 26

  • [Presentation] ダンスが生まれるとき-中嶋夏〈心と身体の学級〉をめぐって2023

    • Author(s)
      井上由里子
    • Organizer
      近現代演劇研究会、大阪大学
  • [Presentation] 近代美学と古典弁論術2022

    • Author(s)
      渡辺浩司
    • Organizer
      第1回「近代美学と古典弁論術」研究会
  • [Presentation] 傷つきやすさの創造性:20世紀前衛演劇と障害のある身体2022

    • Author(s)
      井上由里子
    • Organizer
      第1回「近代美学と古典弁論術」研究会
  • [Presentation] La Republique des traducteurs2022

    • Author(s)
      井上由里子
    • Organizer
      Atelier de la pensee autour des traducteurs de Valere Novarina, Institut francsais Berlin

URL: 

Published: 2023-12-25  

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