2022 Fiscal Year Research-status Report
日本語学習者の迷惑場面における認知と言語行為:日中韓比較と日本人母語話者の評価
Project/Area Number |
22K00642
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
林 ひょん情 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (30412290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 セイイ 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 講師 (60791332)
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 人文学研究科, 名誉教授 (70227263)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 迷惑場面 / 認知と言語行為 / 日本語学習者 / 日本人母語話者の評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日中韓の母語話者および中国語と韓国語を母語とする日本語学習者を対象にした迷惑場面における横断的調査を行い、(1)日中韓の母語話者の迷惑行為に対する認知(規範)と注意行為の有無、それに対する謝りの遂行方法の相違を解明する。また、(2)中国語と韓国語を母語とする日本語学習者の諸要因について検討し、どのような要因が語用論的転移の起こりやすさに影響を与えるのかを明らかにする。さらに、(3)「言語行為の適切さ(違和感)」の観点から、日本語学習者の語用論的転移について日本人母語話者はどのように評価するのかを検証することである。 研究1年目の令和4年度は、まず相手との距離や負担の度合いを考慮した個人的な迷惑場面での迷惑度を、分類・抽出した事例を分析し、その結果をもとに質問紙に盛り込む18項目の迷惑場面を選定した。調査では、18場面の迷惑行為に対して、日中韓の母語話者がどの程度迷惑度を感じるのか(迷惑度)を、5の「とても迷惑」から1の「まったく迷惑でない」までのリッカート尺度を用いて測定した。また、迷惑行為における言語行動については、迷惑行為に対する注意の言語行動(注意行為の有無と注意の仕方)と、謝りの言語行動(謝り行為の有無と謝り方)に関する項目となる。現在、日本人母語話者60名、韓国在住の韓国人非日本語学習者60名と韓国人日本語学習者58名、そして日本在住の中国人日本語学習者20名に対して調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた、「迷惑行為における日中韓母語話者の言語行為に関する調査」と併行して、現在韓国人と中国人日本語学習者に対する調査も同時に進行している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、中国在住の母語話者(中国人非日本語学習者)に対するデータを収集・分析し、18項目の迷惑場面について日中韓の母語話者がどの程度迷惑度を感じるのか(迷惑度)を比較する。また、迷惑行為における言語行動については、迷惑行為に対する注意の言語行動(注意行為の有無と注意の仕方)と、謝りの言語行動(謝り行為の有無と謝り方)はどのような違いがあるのかについて分析する。さらに、中国国内における中国人日本語学習者に対する調査を実施し、韓国人のデータとあわせて比較分析することで、学習環境や習熟度などによってどのような違いが見られるのかを調査する。
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Causes of Carryover |
予定していた対面の打ち合わせが急遽zoomで実施されたため。来年度の打ち合わせのための出張費として使用する予定である。
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Research Products
(20 results)