2023 Fiscal Year Research-status Report
不正競争防止法によるデータ保護 ーデータ集積物の法的保護に関する分野横断的研究
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22K01271
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蘆立 順美 東北大学, 法学研究科, 教授 (60282092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 幸典 東北大学, 法学研究科, 教授 (20241507)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 限定提供データ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、前年度に引き続き、研究代表者及び研究分担者の双方において、不正競争防止法における限定提供データの保護について、特に、AIの学習に使用されるデータに関して、不正競争防止法の保護の活用可能性と限界を中心として、民事法(知的財産法)及び刑事法の双方の観点から研究を行った。 具体的には、研究代表者において、学習データとしての利用に関する研究を推進した。学習データとしての利用については、そのデータが著作物である場合には、原則として、制限規定(著作権法30条の4)の適用により利用が許容されることとなるが、契約によりその利用が限定されている場合にも利用が許容されるか否かについては議論がある。他方、限定提供データに関しては、その立法経緯から、学習データとしての利用に対しても規制の対象となることが明らかであるが、そうした情報の利用を制限する根拠に関して、著作権法からの知見を踏まえて、検討を行った。その際、大学における研究データの利活用の実態等についても調査を行い、具体的な利活用における問題点や法制度の影響の有無等についても考慮の対象とした。さらに、上記の分析結果が、「限定提供データ」の概念や侵害の成否に与える影響等についても分析の対象とすることにより、不正競争防止法による保護の特性や限定提供データ規制の基礎となる法理等について検討を進めた。 研究分担者においては、限定提供データの保護に関する刑事的規制の在り方についての基礎的な知見を得るために、これまでのわが国における情報の保護に関する学説の状況と、営業秘密の刑事法的保護に関する一連の刑事立法の動向について調査・検討を行った。特に、後者については、改正刑法草案における企業秘密漏示罪の創設から、平成15年以降の一連の不正競争防止法の改正における営業秘密侵害罪の適用範囲の拡大に至る議論状況について網羅的に検討を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内の文献調査・収集およびその分析に関しては、概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、国内において展開されている限定提供データの保護の在り方に関する諸学説の分析・検討を継続するとともに、刑事的規制も導入されている営業秘密保護制度等との関係性に関する検討を行う。また、諸外国における情報集積物に係る法的保護制度の状況・動向について、米国および欧州各国を主たる対象として調査、分析を行う予定である。諸外国の法制度との比較を通じて、わが国の限定提供データ保護制度の特徴を明らかにするとともに、限定提供データ保護制度の基礎に据えるべき法理等を明らかにする。また、研究分担者との意見交換や情報共有を通じて、限定提供データの刑事的保護の在り方等についても検討を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた調査出張について一部実施ができなかったこと、及び、発注中の海外書籍の出版が遅れたこと等により、一部予算を次年度に繰り込した。
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Research Products
(2 results)