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2023 Fiscal Year Research-status Report

不完全競争下における国境炭素調整措置の理論的研究

Research Project

Project/Area Number 22K01470
Research InstitutionRissho University

Principal Investigator

河原 伸哉  立正大学, 経済学部, 教授 (50447207)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords国境炭素調整 / 環境税 / 国際貿易 / 独占的競争
Outline of Annual Research Achievements

本年度の研究計画は、国際貿易の独占的競争モデルにおいて国境炭素調整を導入し、その効果について分析を進めことであった。その際、モデルを解析的に検討することで、国境炭素調整の効果を特徴付けることを第一段階の目的とした。まず、前年度において構築した2国の国際貿易の独占的競争モデルにおいて、各国間で異なる炭素政策が採られる状況を想定した。このとき、低炭素政策の国で生産された差別財の価格は低く、高炭素政策の国で生産された財の価格は高くなる。すなわち、高炭素政策の国における差別財の価格は、国内で生産された高価格の財と外国から輸入された低炭素価格に起因する低価格の財が競合することになる。本研究における国境炭素調整は、このような低炭素政策に起因する低価格の輸入財に対して、国内の高価格の財と価格が同一になるよう税を課し、また、高炭素政策による高価格の輸出財に対して、外国で生産された低価格の財との価格差を解消させるよう補助金を与えるような政策となっている。上記のような国境炭素調整をモデルに導入し、それが高炭素政策を採る国の差別財価格に与える影響を通じて、各国において生産される差別財のバラエティ数や価格インデックスに与える影響について分析を進めた。年度当初の時点では、可能な限り一般性を求めた理論モデルの構築を重視し、分析を進めたが、解釈可能な形で結果を導出することが困難であったため、その後、より具体的で簡潔な関数型に変更し分析を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度の研究計画は構築されたモデルに国境炭素調整を導入し、その効果を解析的に分析することであった。上述の通り、当初の段階では、より一般的な結論の導出を意識して分析を進めたが、モデル自体の複雑さから解釈可能な形で結果を導出することが困難であった。そのため、当初のモデルを大幅に簡潔化した形で新たにモデルを組み直す必要があり、結果的に得られた結果の解釈やそれらを論文の形でまとめるには至らなかったことから上記の評価となった。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策としては、まずは、本年度に実施予定であったが、国境炭素調整の効果に関してさらに詳細な分析を行う。その上で、得られた結果を解釈し、論文の形でまとめる。以上の項目を可能な限り早い段階で完了させたい。その上で、カリブレーションの手法を用いた応用的・数量的分析の実施についても検討を進める予定である。

Causes of Carryover

本年度の研究課題の実施については、特に、旅費の使用が予定を下回ることとなった。次年度は、先述の分析結果をまとめた論文を国際学会で報告を行うことを想定している。また、図書や物品費の使用額も予定を下回ることになった。次年度は、同費目の執行を早い段階で実施したい。

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Published: 2024-12-25  

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