2022 Fiscal Year Research-status Report
障害のある従業員の組織社会化過程における個人の適応行動に関する研究
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22K02010
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
福間 隆康 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (30410509)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 組織適応 / 組織社会化 / プロアクティブ行動 / 定着 / 精神障がい者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、組織社会化論において強調されてきた「段階的組織社会化モデル」に焦点をあて、企業に入社した精神障がい者の外的なサポートと内的な対処行動を分析することによって、職場定着と早期離職を分ける要因を明らかにすることを目的としている。より具体的には、企業で働く精神障がい者の職場定着を促すミクロレベルの変数として組織社会化を位置づけ、組織の社会化過程を明らかにすることを目的としている。 特に本研究は、個人が組織に社会化していく過程のキャリア発達課題を解明するだけで無く、中途採用者の多い精神障がい者の組織再社会化に対する上司・同僚サポートや経験学習など、職場で起こりうる様々な事象にも着目することを目的とした研究を目指している。 研究目的達成に向けた具体的な研究課題としては、①組織社会化の阻害要因の解明、②組織社会化の形成過程の把握(一般従業員と精神障がいのある従業員の比較)、③外的サポートおよび内的対処行動と組織社会化結果の関係の把握を設定している。 本年度は、まず研究課題に関する国内外の先行研究動向について文献レビューを中心に検討を行った。つぎに、研究計画書で構築した新たな分析枠組みを精緻化することに注力した。続いて、精神障がい者の職場定着好事例企業のリストアップを行った。 なお、本年度に公表した論文では、民間企業に勤務するキャリア初期の精神障がい者の組織適応タイプの特徴、民間企業に勤務するキャリア初期の精神障がい者のプロアクティブ行動が組織適応に及ぼす影響を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの拡大により、職場におけるヒアリング調査が実施できない状態が発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、組織社会化の阻害要因、組織社会化の形成過程の解明について検討を重ねる予定である。 主な研究対象は、特例子会社を想定している。具体的には、近畿の特例子会社を対象に調査を実施する。研究協力者が代表をつとめる組織は、近畿地方の特例子会社が大多数を占めることから、円滑な調査が期待できる。 研究方法は、基本的に精神障がいのある従業員、管理者に対する質的調査(主にインタビュー)を中心に行う予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度において大阪への調査研究を予定していたが、新型コロナウイルス拡大の影響で取りやめになり、旅費が当初計画より低くなったことから次年度使用額が生じた。 次年度において、大阪への調査が実施される予定であることから、当該使用額は使用される予定である。
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