2022 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive study on citizenship development through club activities in communities
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22K02642
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
由井 一成 早稲田大学, 平山郁夫記念ボランティアセンター, 講師(任期付) (00845787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新見 有紀子 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (90747396)
石森 広美 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50965746)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | シティズンシップ / 地域部活動 / コミュニティ参画 / アセスメント / 教員の働き方改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では地域部活動の教育効果について、シティズンシップ育成という観点から理論的枠組を構築、評価指標を策定し、部活動の地域移行、ひいては部活動改革と教員の働き方改革の前進に貢献することを目的としている。 2022年度は、主に2023年度に行う地域部活動の先駆的事例となる地区への訪問調査実施に向けた準備のための研究が行われた。具体的には4回にわたる研究協議会、予備調査として徳島県徳島市「阿波十郎兵衛屋敷」、静岡県掛川市「大日本報徳社」ならびに「未来創造部Palette」、青森県むつ市「下北Jr.オーケストラ」への訪問、2023年度に行う質問紙調査ならびにインタビュー調査における質問項目の策定を行った。 特に質問紙調査ならびにインタビュー調査の策定に関しては、シティズンシップ(市民性)の項目を①社会的道徳的責任、②コミュニティ参画、③政治的リテラシー、④アイデンティティと多様性の4項目に分類し、地域部活動を通じた各項目の育成状況について把握できる質問内容を検討し、一連の質問項目を確定、実施に向けた準備を整える段階に至った。 本研究は、部活動の地域移行に伴うシティズンシップ育成効果の向上を仮説として提唱し、先進事例を分析することで仮説の証明を試みるものである。スポーツ庁と文化庁は2023年度からの3年間を部活動の「改革推進期間」と定めており、今後、地域移行・地域連携に向けた取り組みが一層活性化することが見込まれる。そのような中で、地域移行の取り組みがいかなる効果をもたらすか明らかにすることの重要性は一層高まっている。引き続き、研究実施計画に基づいた研究の遂行を目指し、地域部活動が有するシティズンシップ育成効果についての理論的枠組みの構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、「地域部活動」「シティズンシップ教育」の動向に関する文献調査は順調に進んでいる。またモデル地区の訪問、インタビュー調査の実施に向け、訪問先の選定を行い、訪問時に行う質問紙調査の内容やインタビュー項目について協議、決定した。「人を対象とする研究」となるため、質問内容や方法については研究代表者所属機関の倫理委員会に諮り、承認を得た。 研究2年目となる本年度は、モデル地区の訪問と質問紙の配布・回収、インタビューの実施を各訪問地において行うこととなる。その実施に向けた準備を1年目においておおむね整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は選定されたモデル地区(国内8か所、海外2か所)の訪問と、現地における観察調査、質問紙調査、インタビュー調査を実施するとともに、研究協議会、公開研究会を通じて訪問調査結果に関する分析を行う。 また次年度に向けては、調査結果に基づき、地域部活動がもたらすシティズンシップの教育効果について、理論的枠組みを構築する作業に入るとともに、その理論的枠組みに基づき、地域部活動におけるルーブリックの策定を試みる。 最終的には本研究課題の目的である、地域部活動の全国展開実現と部活動改革・働き方改革の前進に寄与することを目指す。
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Causes of Carryover |
2022年度、予備調査として訪問を予定していた地域について、先方の事情により新型コロナウイルス感染拡大に伴い訪問を延期した地区があった。そのため当該費用を次年度使用額として計上し、2023年度において旅費として使用する予定である。
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