2022 Fiscal Year Research-status Report
新教育課程に対応した読解・記述力を高める縮約基盤型eラーニングAIシステムの構築
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22K02731
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
牛頭 哲宏 神戸常盤大学, 教育学部こども教育学科, 教授 (80709048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴仲 謙欣 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 助教 (50752119)
中田 康夫 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (70295773)
高松 邦彦 東京工業大学, 企画本部, マネジメント教授 (80392017)
村上 勝彦 富士通株式会社(富士通研究所), その他部局等, 研究員 (30344055)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 縮約学修データ / 解析 / 模範解答作成ツール / ChatGPT / 縮約基盤型eラーニングAIシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度には、学生の学修データを収集し、解析するとともに、模範解答作成ツールの開発にも着手した。まず、800文字程度の元テキストを400文字程度に縮約した学修データを、約300名分集めた。次に、元テキストと縮約後のテキストを比較してABCDの4つのグループに分類した。その結果、上位群であるABパターンの学修者は元テキストの内容をきちんと読解しており、段落から重要なキーワードを抜き出せる優れた能力を持っていたことが判明した。一方、下位群であるCDパターンの学修者は元テキストの読解力が不十分であり、キーワードの抽出においても文脈を理解できていない傾向が見られた。 また、研究チームは、独自のプログラミングにより、模範解答作成ツールを開発している。学生の縮約したテキストの中から上位群のデータに見られる特徴を合成し、それに指導者の模範解答を重ね合わせて、理想的な読解による縮約テキストを生成するシステムである。 この研究のテーマは、「新教育課程に対応した読解・記述力を高める縮約基盤型eラーニングAIシステムの構築」というものであり、通常は大型計算機や高価なGPUが解析に必要な分野であるが、安価に実験を行える環境が整いつつあるLLMの利用を検討した。また、今年度初めに驚異的なユーザー数で普及したChatGPTの急速な進化により、より具体的な利用方法の模索も進んでいる。 今後の推進方策としては、より多くの学生のデータを収集し、グループの違いをより詳細に分析していくことが挙げられる。また、模範解答作成ツールについては、より高度な機能の開発に取り組む予定である。最終的には、縮約基盤型eラーニングAIシステムとして、学習者の読解・記述力の向上に寄与することを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.研究の目的・目標が明確である:研究が目指すものが明確であるため、方向性を迷うことが少なく、スムーズに研究を進めることができている。 2.適切な手順に基づいた計画的な進め方:研究において必要な手順を適切に計画し、段階的に進めることで、混乱を避け、研究の進捗を促進している。 3.適切なリソースの確保:研究に必要なリソース(データや技術、資金など)を適切に使うことによって、スムーズに研究を進めることができている。 4.チームワーク:研究を進める上で、複数の人材の力を借りることで、効率的に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.更なる学修データの収集:昨年度同様、学修データを収集することが必要である。特に、下位グループに属する学生のデータをより多く収集し、解析することで、より詳細な分析が可能になると考えられる。
2.モデルの改善:学修データを収集し、解析することで、模範解答モデルを改善することができると考えている。今後は、より高度な自然言語処理技術を組み合わせることで、より精度の高い解析が可能になると期待される。
3.実証実験の実施:研究成果を実際の学習支援システムに反映させるために、実証実験を実施する必要がある。実証実験を通じて、研究成果が実際の学習者の学習にどのような効果をもたらすかを評価する。
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Causes of Carryover |
2022年度は、主に共同研究者の村上氏と高松氏に支出した。それ以外は研究の準備期間として特に支出を必要としなかった。2023年度は本格的に研究を推進する年度であるため、2022年度の残金を含めて使用する予定である。
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