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2023 Fiscal Year Research-status Report

ナラティブを用いた学習言語の評価と指導法の開発

Research Project

Project/Area Number 22K02782
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

入山 満恵子  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40389953)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 野波 尚子  東京医科大学, 医学部, 言語聴覚士 (00725682)
遠藤 俊介  埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 保健発達部, 技師 (30941687)
田中 裕美子  大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (60337433)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords再生ナラティブ / 言語評価 / マクロ構造 / ミクロ構造 / 定型発達
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は前年度3月の定型データ集積結果に基づき、更にデータ数を増やすべく都内での定型発達データ集積を進め、年中から小3までの約50名の協力を得て作業を進めた。
応募者は標準化検査としてK-ABCⅡおよびWISC-Ⅴの一部課題を実施し、標準化検査の成績が平均域以下の児などを除外した。最終的に参加できた応募者46名のうち40名(男児10名、女児30名)を分析対象とした。ナラティブ再生課題で得られた発話について、マクロ構造とミクロ構造(語彙)の結果の経年変化を分析した。
結果、マクロ構造の合計(37点満点)は年長(n=13)21.9±8.3点、小1(n=13)26.2±6.4点、小2(n=14)29.9±4.6点であり、年長から小2にかけて増加した。中でも物語の「起」の表出と「動作主の明確さ」に経年的な増加がみられた。ミクロ構造(語彙)の合計(18点満点)は年長8.2±3.1点、小1は10.0±2.4点、小2は11.8±1.9点であり、マクロ構造と同様に年長から小2にかけて増加がみられた。ミクロ構造の分析項目の「副詞」は年長で表出が0だった一方で、小2になると3割の児で表出がみられており、学年差が大きかった。小3はデータ数が不足している状況で、今後の積み上げを目指す。
年長から小2にかけてナラティブのマクロ構造とミクロ構造は経年変化に伴って増加しており、本課題はこの時期の言語評価法として有用であることが示唆された。特にマクロ構造の評価項目の中で、物語の導入部である「起」の表出と「動作主の明確さ」は言語発達障害の可能性を判断する指標となる可能性が考えられた。小2以降のデータ集積や、マクロ構造やミクロ構造の量的分析だけでなく質的分析を進めることは今後の課題である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在、言語評価開発のための定型データの集積はおおむね順調に進んでおり、また、指導法については分担者、協力者それぞれが個別事例で実践を進めているところであり、両者ともに着実に成果を出している。
ある程度までデータ数が集積されたら、より多くの臨床家の手に渡るよう書籍化等を目指し作成準備に入る予定である。

Strategy for Future Research Activity

前項「実績の概要」でも示した通り、言語評価法開発のためのデータ集積上、明確になった課題「小2~小3にかけてのデータ集積」「マクロ構造、ミクロ構造の量的分析だけでなく質的分析を進める」との点は残りの期間で取り組むべき課題となっている。
また、評価法、指導法ともにより多くの臨床家の手に渡るようにするためにはどうしても書籍として出版が必要になるため、そこに付属するマニュアル作成を進める必要がある。
同時に、書籍として出版しただけでは「正しい使用法」まで行き届かないリスクがあるため、現在は分担者、協力者とも定期的なミーティングを開催した上で、「使い方を常に発信するための方法」を検討中である。
現在、考えられているのが定期的な「セミナー」開催により、常に開発した評価法、指導法の適切な使い方を伝える機会を持つ、ということと、併せてHPなどで動画を含めたサイトを用意し、前者同様に、適切な使い方を常に提示しておくことでより効果を実感できるツールとして完成させることであり、これらの手法を実現することが、今後の研究の指針として取り組むべき課題と考えている。

Causes of Carryover

定型発達児を対象としたデータ収集に際し、東京会場の開催場所について東京学芸大学を借りることができたため、余剰分が生じた。今後、東京以外で複数箇所での実施を予定しているため、そのための開催費用として計上を予定している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ナラティブを用いた言語指導法の効果分析:2事例を通して2024

    • Author(s)
      入山満恵子 田中裕美子 松浦千春 瀬川幸子
    • Journal Title

      コミュニケーション障害学

      Volume: 41 Pages: 7-14

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「聞く・話す」領域に困難さを抱える児童へのナラティブを用いた言語指導の活用事例2023

    • Author(s)
      入山満恵子 葭岡晃世 鈴木由紀子
    • Organizer
      日本LD学会第32回大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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