2022 Fiscal Year Research-status Report
高専教育におけるキャリア教育による内発的動機付けと学ぶ力への効果検証
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22K02879
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
畔田 博文 石川工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (10290735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 俊彦 東北学院大学, 教養学部, 教授 (00582925)
杉本 英晴 関西大学, 社会学部, 准教授 (20548242)
小菅 清香 学習院大学, 文学部, 客員所員 (70823855)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 内発的動機づけ / 高専教育 / 学ぶ力 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学Ⅰおよび化学Ⅱの講義においてキャリア教育を含んだ講義を実施した。この成果をはかる目的で,4月当初に調査に用いる尺度について再検討を行い,計画書に済めした調査よりも多くの尺度を用いることとした。調査に用いた尺度は以下の通りであり調査対象として1学年5クラスと2学年5クラスを対象として実施した(約400名:実験群約240名,統制群約160名)。 知能感尺度,CES-LG(自己探索行動,環境探索行動),メタ認知的方略,キャリアアダプタビリティ,目標の明瞭性,学業と職業の接続現実の関係,課題価値,自分の高専選択に対する振り返り・納得度これを講義前の4月初旬と講義後の2月末に実施した。現在はこの分析を行っている最中である。 また,上記の授業実施と調査とは別にこの実施年度前に予備的に実施していた調査結果をまとめてキャリア教育学会にて報告を行った。この予備調査では知能感尺度,CES-LG(自己探索行動,環境探索行動),メタ認知的方略の3つの尺度しか用いていないが,「授業前後でメタ認知を行うようになっている」ということが分かり,科目教育内にキャリア教育を入れ動機づけを行うとともに自己の理解度を都度分析させメタ認知を促していくことでメタ認知力を鍛えられるということが示唆された。また,「増大的知能感の学生の方がメタ認知を活用」,「自己探索を行っている学生の方がメタ認知を活用」,「環境探索をしている学生の方がメタ認知を活用」という可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた通りキャリア教育を内包した科目教育(化学)の実施ができており,これに対してプレとポストの調査を実施しデータを得ることができた。また,この前年度に予備的に実施した調査結果をまとめて学会報告を行っており,この結果は昨年度分の調査結果を精査するうえで重要な結果となる。これらのことから本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,6月までに対面での打ち合わせを予定しており,上述の前年度の調査結果を精査を行い,この結果をもとに科目教育内に取り入れているキャリア教育の内容を見直すことを考えている。見直しや結果の精査については対面による密な打ち合わせを予定している。 また,今年度も昨年度と同様の調査(プレ)を実施済みであり,年度末の調査(ポスト)の結果を得て,再現性について検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により当初予定していた学会がオンラインとなったこと,全国的な感染者の増減により対面による打合せを見送ったことが一つの理由である。また,研究分担者のライフイベント(出産)により分担者1名があまり,予算を執行できなかったことも原因の一つである。 今年度も,発表を想定している学会がオンラインとなることは決まっているが,対面による打合せなどを重ねて調査結果の精査を行うなど適正な予算執行に努めたいと考えている。
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Research Products
(1 results)