2022 Fiscal Year Research-status Report
非線形特徴量に基づく新たな高次元統計理論の開発とその応用
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22K03412
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢田 和善 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90585803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青嶋 誠 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90246679)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 高次元漸近理論 / 高次元クラスタリング / 客観的総合指数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の土台となる研究課題「高次のモーメントを用いた高次元分類法の考案」に取り組み、高次のモーメントを用いた高次元クラスタリングの分類理論を確立した。 まずは、既存の研究が不十分であった高次元データにおける階層的クラスタリングの漸近理論の構築に取り組んだ。階層的クラスタリングにより構築される階層構造の高次元漸近的性質を調査し、正則条件のもとで特徴的な3つの振る舞いが起こることを証明した。それら3つの振る舞いとも、混合するデータのクラスが明確にわかる階層構造となっている。その正則条件は、混合するデータのクラス間の平均ベクトルの差異だけではなく、2次のモーメント情報である共分散行列間の差異にも依存しており、それらの差異によりデータのクラス毎の高精度な分類が可能となっている。さらに、カーネルk-means法における高次元漸近的性質を調査し、特にガウシアンカーネル関数を用いたカーネルk-means法の分類に関する高次元一致性を証明した。これは、ガウシアンカーネル関数で表現される共分散行列間の差異を積極的に利用することで高精度な分類が可能となっている。 一方で、Sei (2016, JMVA)で提案された変数間で公平な指数である客観的総合指数の高次元漸近理論を初めて与えた。さらに、その理論に基づく応用例として、遺伝子発現データの分類問題を考え、客観的総合指数の係数の大小により有意な遺伝子の選択と分類が可能であることを例示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の土台となる研究「高次のモーメントを用いた高次元分類法の考案」が進んでいることからも、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の研究を踏まえて、研究課題「カーネル法における高次元幾何的表現の導出」に取り組む。一般の正定値カーネルにおけるカーネル法で高次元漸近理論を展開し、高次元データをさらなる高次元の特徴空間にあえて射影することで、非線形の特徴を幾何的に炙り出す。この結果により、各カーネル特有の高次元非線形特徴量を精密に抽出する。さらに、令和4年度の研究で考案したカーネルk-means法の高次元漸近理論に、カーネル法における精密な高次元幾何的表現を取り入れることで、最適なカーネル関数の選択法を考案する。
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Research Products
(20 results)