2023 Fiscal Year Research-status Report
Kink-band strengthening of Ti-based high entropy mille-feuille structured materials
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22K03808
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳永 透子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30767299)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | チタン合金 / ハイエントロピー合金 / ミルフィーユ材料 / 高強度材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,Ti系共晶型ハイエントロピー合金に主に着目し,層状組織の方位を制御し,ミルフィーユ材料独特のキンク強化を誘導することを目指した.昨年度は過去に報告されているTi系共晶ハイエントロピー合金を中心に合金を作製し,層状組織を有するTiFeCoCrNi系合金およびLPSO相様の板状結晶粒を有し,キンク変形帯を形成するTiFeCoMnNi系合金の作製に成功した.本年度は,合金設計指針の確立を目指し,TiFeCo三元系合金への第四元系元素の添加による影響を調査した.層状組織を有するTiFeCo三元系合金へNiをはじめとする種々の元素添加を試みたが,層状組織を保ったままの第四元素添加は困難であった.また,新たな合金系探索のために,TiAlNiV系,TiAlNiVCr系,TiAlNiVCrNb系の合金において,配向化層状組織を有する合金作製を試みた.いずれにおいても層状組織の形成が見られたが,TiAlNiV四元系合金に対する元素添加量が増加するにつれて,層状組織の乱れた部分が増加した.これら合金はいずれもBCC相とLaves相から成り,圧縮試験においては靭性が乏しく,早期にクラックが形成し破断に至った.さらに,昨年度キンク変形帯の形成に成功したTiFeCoMnNi系合金のキンク変形帯形成機構を検討するため,比較として過去にFCC相とLaves相から成る層状組織形成の報告例があるCoFeVNiNb系合金およびCoCrFeNiNb系合金において,合金作製および組織配向化を試みた.いずれの合金系においても,層状組織の発達が確認され,さらに,一方向性凝固を行うことで,層状組織の配向化が達成された.また,圧縮試験の結果,CoCrFeNiNb系合金においては室温~400℃においてキンク変形帯の形成が見られ,組織の配向性向上によるさらなる高強度化の可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように,本研究で作製した合金は目標強度を超える優れた強度を示し,強度と延性の両立のために目標としていたキンク変形帯の形成が達成されたため,本研究は当初の研究計画に従い,着実に進捗している.しかしながら,キンク変形帯の形成は一部条件においてのみでしか確認されなかったこと,Tiを含む合金系においては層状組織の配向化が現状では難しく,実用に耐えうる靭性を有するTi系合金の作製には至っていないことから,「おおむね順調に進展している」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,上述の通り優れた力学特性を示した合金およびキンク変形帯が形成した合金系において,組織の配向化および初晶率を減少させる熱処理手法の検討を実施し,熱処理手法の確立を目指す.また引き続き,層状組織を形成する新規Ti系合金の作製を試みる.層状組織形成およびキンク変形帯の形成が達成された合金系については,EBSDを用いた結晶方位解析により,層状組織を構成する各相におけるキンク変形帯の形成メカニズムの解明を目指す.加えて,当初目的としていた合金設計指針の確立を目指し,実験的手法に加えて状態図計算の援用による第四元素の模索を行う.最終的にはミルフィーユハイエントロピー合金の作製を達成し,実用化を見据えた合金開発およびその特性評価を進めていく.
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Research Products
(3 results)