2023 Fiscal Year Research-status Report
Contrast-enhanced CT as molecular imaging in canine hepatocellular carcinoma
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22K05991
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
田中 利幸 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 客員研究員 (10833121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 俊助 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 客員研究員 (10701295)
秋吉 秀保 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (50420740)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / CT / RNA sequence / Radiogenomics |
Outline of Annual Research Achievements |
犬肝細胞癌(HCC)の造影CT検査による分子生物学的な悪性度評価、つまり「分子生物学的イメージング」としての応用を目的に、犬HCCをCT造影パターンにより、動脈相で顕著な造影増強効果を示す多血性HCC、動脈相で造影増強効果を示さない非多血性HCCに分類した。また、病理組織学的に異常のない肝組織を正常肝として、正常肝、多血性HCC、非多血性HCCに対してRNAシーケンスを実施し、それら3群間における発現変動遺伝子を探索した。
その結果、q<0.01をカットオフとして7つの遺伝子で発現変動が認められた。多血性HCCで最も発現量が上昇している遺伝子として、DUSP9, SLPI, ALDH1L2、非多血HCCで発現量が低下している遺伝子としてSLC1A1、正常肝で最も発現量が上昇している遺伝子としてTRPV6、正常肝で最も発現量が減少している遺伝子としてTOP2A、CENPFが抽出された。
多血性HCCで最も発現量が上昇している遺伝子DUSP9, ALDH1L2は発現上昇により癌の増殖を抑制することが報告されており、犬HCCにおける多血性は悪性度が低い腫瘍であることが推察された。SLPIは類洞形成に関与していることも報告されていることから、多血性HCCの造影パターンには類洞が関与している可能性が考えられた。また、非多血性HCCで最も発現量の低下している遺伝子はSLC1A1であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子解析プログラムの不調により、プログラムの再構築を行なっていた。その再構築に時間がかかっていたものの、候補遺伝子の抽出は完了している。再構築により結果が出るまで時間がかかったため、成果報告に遅れが出ている
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Strategy for Future Research Activity |
候補遺伝子の再現性を評価するためリアルタイムPCR、タンパク発現の有無を評価するため、免疫染色やウエスタンブロッティングを行う。また、今回発現量に差のあった遺伝子同士の関連を明らかにする。
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Causes of Carryover |
サンプル採取および遺伝子解析の再設計に時間を取られ、PCRや免疫染色を行うことが遅れているため、次年度使用額が生じた。本年度は、PCR、免疫染色および研究成果を論文としてオープンジャーナルに投稿する予定である。
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