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2022 Fiscal Year Research-status Report

伴侶動物の革新的がん治療法開発に向けた次世代型重粒子線増感がん治療薬開発基盤研究

Research Project

Project/Area Number 22K06036
Research InstitutionNational Institutes for Quantum Science and Technology

Principal Investigator

小池 亜紀  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 技術員 (50415410)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小池 学  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 重粒子線治療研究部, 上席研究員 (70280740)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsイヌ / がん治療 / 放射線 / 増感 / Ku80
Outline of Annual Research Achievements

イヌは、人間社会の中で愛玩犬や使役犬としてばかりでなく伴侶動物としても益々重要な役割を担っている。一方、飼育環境や栄養状態などが改善されてきた事や感染症対策などが徹底されてきた事などによりイヌの寿命が延びてきたことなどから、がんに罹患し健康寿命が短くなる、あるいは、がんにより命を落とすイヌが増加している。したがって、イヌの新たながん治療法の開発は人間社会にとっても重要な課題である。イヌとヒトの一部のがんは類似した特徴を持つので、イヌに自然発症したがんの治療法に関する研究はイヌのがん治療法の革新に繋がるばかりではなく、ヒトの治療法の高度化や適応拡大にも繋がる事が期待されている。近年、ヒトのがん治療領域においてQOLが高く完治を目指せる革新的な治療法として注目されている粒子線(炭素線)による放射線治療はイヌのがんに対する新たな治療法として有力な候補である。しかし、イヌの炭素線治療を含む放射線治療に関する基礎研究は少なく、加えて、放射線治療効果を左右することが知られているDNA修復経路に関する研究は非常に乏しい。本研究では、イヌのがん治療法の拡大と放射線(炭素線)治療対象の適応拡大の基盤を構築することを目指している。本年度は、DNA修復タンパク質に対する特異抗体を用いた免疫細胞染色試験やDSB損傷応答・修復に関わる分子標的阻害剤やDSB誘発剤を用いた実験などを開始した。その結果、ヒトの肺由来細胞と同様に、自然発症イヌ難治肺がん由来細胞株においてNHEJ修復経路で働く調べた全てのタンパク質が発現し、細胞核に局在することが確認できた。また、放射線類似作用物質であるDSB誘発剤が上記細胞の増殖を抑制することがわかった。さらに、予備実験の結果、ヒトのDNA修復タンパク質の機能を阻害することが報告されている薬剤がイヌの腎臓由来細胞にcaspase依存的な細胞死を誘発できることを確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症への対策のために細胞培養などの実験システムを縮小していたので、実験システムの再構築を必要とするところが生じたため、実施までに予想外に時間がかかった。加えて、使用する予定の機器類の老朽化に伴う故障などがあったために、再構築に時間がかかった。また、研究分担者の通院加療などのために、放射線照射と感受性試験に関わる実験などの実施に影響が出た。これらの理由から、研究の進捗がやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

計画にそって、研究を実施する。2022年度の結果に基づいて、自然発症イヌ難治がん由来細胞などを材料に研究を進める。まずは、遅れが生じている実験について、必要な対策を検討し、推進する予定である。また、予備実験の結果に基づいて、DNA修復タンパク質の細胞内局在とその制御について、詳細な解析を行う予定である。

Causes of Carryover

「7.現在までの進捗状況」に記載した通り、新型コロナウイルス感染症への対策のために細胞培養を行う実験システムなどを縮小していたので、実験システムを再構築する必要が生じたために実施までに予想外に時間がかかってしまった。加えて、使用する予定の機器類の老朽化に伴う故障などがあったために、再構築に時間がかかってしまった。また、研究分担者の通院加療などもあり、放射線照射と感受性試験に関わる実験などに遅れが生じたために、次年度使用が生じた。繰り越した研究費は、2022年度に行う予定であった遅れている研究のための経費として使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Combined ataxia telangiectasia mutated and DNA-dependent protein kinase inhibition radiosensitizes Madin-Darby canine kidney cells2022

    • Author(s)
      Manabu KOIKE, Yasutomo YUTOKU, Aki KOIKE
    • Journal Title

      The Journal of Veterinary Medical Science

      Volume: 84 Pages: 1485-1490

    • DOI

      10.1292/jvms.22-0061

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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