2023 Fiscal Year Research-status Report
低侵襲かつ簡便な統合失調症評価指標の確立:唾液アディポネクチンを用いて
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22K06777
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
齊藤 清美 昭和大学, 薬学部, 講師 (70307065)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アディポネクチン / 唾液 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症は発症してから治療開始までの期間が長いほど、治療効果が十分に発揮されず、社会的な機能が低下してしまうため、早期に発見して治療につなげることが疾患の予後改善に極めて重要である。早期発見につながる新規バイオマーカーとして唾液中アディポネクチン濃度を指標とした診断法の開発を目的としている。しかし統合失調症におけるアディポネクチン濃度変化については明らかではなく、 1) 唾液中と血中アディポネクチン濃度に相関性が存在するのか 2) 統合失調症患者における血中アディポネクチン濃度は健康成人と比較して低値または高値なのか の問いを解明していくこととした。 本年度は統合失調症の重症度とアディポネクチン濃度に相関関係があるのか、その他患者背景の各種因子とアディポネクチン濃度に相関関係があるのか否かを解析した。統合失調症の重症度とアディポネクチン濃度の相関は男性と女性で異なる結果を得られている。相関関係の傾向を掴めている状況に留まっており、更なる解析の必要性を示唆している。また、レプチン、レジスチン、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6、IL-1β)、クロモグラニンA、唾液 pHを測定した。統合失調症患者群と健康成人群で有意に濃度の異なるサイトカインを同定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は統合失調症の重症度とアディポネクチン濃度に相関関係があるのか、その他患者背景の各種因子との相関関係の有無を解析した。また、レプチン、レジスチン、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6、IL-1β)、クロモグラニンA、唾液 pHを測定したため、おおむね計画通りの進行である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は統合失調症の病態と相関性のある評価項目の同定を行う。また、評価項目の組合せによる統合失調症の病態指標候補因子の探索を行う。さらに重症度の異なる統合失調症患者群での新たな臨床研究に向けての計画を立案する。
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Causes of Carryover |
購入しようとしていたELISA kitの納品が大幅に遅れたため一度キャンセルとなり、次年度使用額が生じた。次年度に改めて発注し測定予定であるため差額を使用予定である。
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[Presentation] Relationship between serum adipokines, psychiatric symptoms, and antipsychotics in patients with chronic schizophrenia2024
Author(s)
Yasuhiro Ohno, Kiyomi Saito, Katsuma Miyaho, Shutaro Sugita, Hiroki Sasamori, Tomoko Nagai, Kazuki Shinmura, Noriko Hida, Kenji Sanada
Organizer
37thECNP Congress
Int'l Joint Research