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2022 Fiscal Year Research-status Report

神経関連微量アミンは外分泌細胞の機能を制御するかー神経・外分泌連関の解明

Research Project

Project/Area Number 22K06795
Research InstitutionIwate Medical University

Principal Investigator

齋野 朝幸  岩手医科大学, 医学部, 教授 (40305991)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 横山 拓矢  岩手医科大学, 医学部, 准教授 (70772094)
東尾 浩典  岩手医科大学, 教養教育センター, 准教授 (50342837)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords微量アミン / 微量アミン関連受容体 / 外分泌腺 / 耳下腺 / 細胞内Ca2+
Outline of Annual Research Achievements

微量アミン(trace amine:TA)は生体アミンと共に分泌され、感情や認知に関する障害に関与すると言われている。認知機能低下時には唾液分泌も障害されることが知られている。TAが様々な外分泌活動の制御にかかわっている可能性が高いが、加齢や神経疾患において、このTAが外分泌腺、特に耳下腺に対しどのような影響を与えるかについてはわかっていない。そこで我々は、TA並びにTA関連受容体(TAAR)に着目し、組織形態を保ったラットの外分泌腺において、特にTAARの関与について細胞内Ca2+濃度変動を指標として解析し、神経-外分泌機能連関を機能形態学的観点から解明しようと企図したのが本研究である。
ラット耳下腺においてTAARの発現をRT-PCRを用いて確認したところ、9種類ほぼ全ての受容体の発現が確認できた。共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析を行った。TAAR刺激薬であるRO5256390投与によってラット耳下腺腺房細胞において細胞内Ca2+上昇を認めた。この細胞内のCa2+上昇機構について検討したところ、細胞外からのCa2+流入と細胞内ストアからのCa2+放出の2つが寄与して上昇していることがわかった。しかしながら、ラットの耳下腺腺房細胞の標本作成が安定せず、収量を上げると細胞が障害されてしまう頻度が高くなってきた。又コロナ対応などもあり、条件の設定に時間がかかり今の所まだ解析に足る実験データーを完全に収集する状況には至っていない。これから更に各種試薬に対する細胞内情報伝達系の機構の解析を進めていく。今後ある程度安定して標本作成可能なマウスの耳下腺腺房細胞を実験に用いることも検討していかねばならない。現在進捗状況としては遅れているが、残りの期間更に実験を加速し努力していく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ラット耳下腺腺房細胞標本の安定した標本作成に思った以上に手間取ったことがあげられる。耳下腺腺房細胞標本の収量を考えて以前に使用していたマウスではなくラットを使用し実験を行ったことが原因かも知れないと考えられる。今後、安定収量を目指すよう消化条件や標本作成手技などを検討する必要もあるが、以前に研究に用いてある程度安定して標本作成できていたマウスの耳下腺を用いた実験を行うことを検討せなばならないかもしれない。この双方のどちらが良いか、来年度検討しさらなるデーターの収集に励みたい。先ほども記載したが、コロナの問題もあり、その対応で時間確保が難しい状況もあった。来年度大学院生が加わってくれる事もあり、今後の研究についてはほぼ順調に行えると考えられる。今後残りの期間更に実験を加速しデーター収集に努力し、結果を報告していく所存である。

Strategy for Future Research Activity

コロナ禍や大学での教育業務の増加によって十分に研究時間を確保できなかったことも進捗が遅れている原因であるが、来年度は大学院生が加わることもあり、安定した研究が行えることを期待する。安定した標本作成、並びに実験データーの収集に加えて、今までに用いているTAAR刺激薬とは別のTAAR刺激薬でも反応性の検討を加えて行う。カルシウムイメージングの本実験を更に加速させ、TAARの細胞内情報伝達系での反応機構の詳細を明らかにしていく。我々が継続研究し検討してきた脳細動脈でのTAARの反応機構と同様な機構が関与しているかどうか集められたデーターを元に検討を加える。また、イメージング実験が完了後、電子顕微鏡による耳下腺開口放出状況の検討、並びにアミラーゼ分泌の生化学的な解析を加えていきたい。TAAR受容体がどこに存在するか(細胞膜や細胞膜以外)、可能であれば免疫組織化学的実験等を加えて検証していく予定である。

Causes of Carryover

予想外の大学教育用務、並びにコロナ対応等によって実験の試行が滞ったこと、ならびに実験に足る安定した耳下腺腺房細胞標本作成ができなかったことから実験データーの収集や解析が捗らず、このため年度末に予定していた学会発表ができなかったため、それにかかるお金が使用困難となり次年度使用額が生じてしまった。次年度は、研究活動を加速させ、本年度の研究結果に更なる実績を付け加える形で実験し、学会発表や論文作成を行う予定であり、そのために繰越金を使っていく所存である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 微量アミン関連受容体(TAAR)アゴニストである3-iodothyronamineはラット脳細動脈においてTAARとは別の受容体にも働く可能性がある。2022

    • Author(s)
      坂野上和奏、齋野朝幸、横山拓矢、平川正人、伊藤元、佐藤健一
    • Organizer
      日本解剖学会第68回東北・北海道連合支部学術集会
  • [Presentation] 微量アミン関連受容体(TAAR)アゴニストである3-iodothyronamine(T1AM)はラット脳細動脈においてTAARとは別の受容体にも働く。2022

    • Author(s)
      坂野上和奏、齋野朝幸、横山拓矢、平川正人、伊藤元、佐藤健一
    • Organizer
      第50回日本歯科麻酔学会総会・学術集会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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