2023 Fiscal Year Research-status Report
ALK1シグナルの臓器特異的血管形成における意義と難治性血管疾患の発症メカニズム
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22K06803
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浦崎 明宏 神戸大学, 先端バイオ工学研究センター, 特命准教授 (40550083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 修 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (40283593)
渡邉 裕介 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (20562333) [Withdrawn]
垣花 優希 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (40910534) [Withdrawn]
原田 恭弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (70911402) [Withdrawn]
橋本 大輝 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (40911342) [Withdrawn]
LAMRI LYNDA 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (90883984) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | acvrl1 / ALK1シグナル / 消化管血管形成 / 遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT) / オスラー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈・静脈・リンパ管は独自のネットワークを形成するが、近年、解剖学的特徴を裏付ける分子機構が明らかになってきた。内皮機能に関する研究は盛んに行われているが、新たに生じた循環系が既存血管とどのように繋がり、機能的な循環系を形成するのかについては不明である。本研究で、モデル脊椎動物ゼブラフィッシュにおいてトランスポゾンを用いた血管可視化系統を樹立し、これまで観察が困難だった消化管門脈循環系と脳循環系の形成過程の解析を行なった。本研究により、これら循環系の形成におけるALK1シグナルの重要性が明らかになった。また、難治性血管疾患である遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT、別名:オスラー病)は、動静脈奇形・末梢血管拡張・鼻出血等の血管病態を特徴とし、患者の約半数でALK1シグナルの主要構成因子であるALK1受容体の遺伝子変異が認められる。マウスとゼブラフィッシュなどの動物モデルにおいて、ALK1シグナル欠損が血管形成異常による胚性致死の原因になることを確認している。遺伝性出血性末梢血管拡張症の患者においては、多様なALK1ミスセンスバリアントが報告されており、ALK1ヘテロ接合ミスセンスバリアントと遺伝性出血性末梢血管拡張症の病態との関係に興味が持たれる。そこで、ヒト患者から見出された25個のALK1ミスセンスバリアントを対象にして、遺伝性出血性末梢血管拡張症の病態予測ための計算および実験解析を行なった。ALK1ミスセンスバリアント解析により、ALK1ミスセンスバリアントの分子機能に多様性が見られることが明らかになった。本研究は、血管形成を循環システム形成という視点から捉え直すのみならず、血管疾患の予防・症状緩和・治療法開発など医学分野にも波及効果が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで観察が困難だった消化管-門脈循環系と脳循環系の血管・血球を可視化できる系統を樹立し、消化管-門脈循環系と脳循環系における血管形成過程の解析を行うことができた。さらに、ALK1ヘテロ接合バリアントに関する研究も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに生じた循環系と既存循環系の接続という観点からいうと、脳循環系よりも消化管循環系の方が不明なことが多い。特に、初期の消化管循環系がどのように形成されるのかはあまり解析されていないため、初期の消化管循環系がどのように形成されるか、新たに形成された消化管循環系が既存循環系とどのように接続するかについて重点をおく予定である。また、トランスポゾン技術を含めた新たな系統作製法を用いて研究を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
これまで作成済みの変異体およびトランスジェニック可視化系統の顕微鏡観察を中心に研究を進めた。当該年度は研究環境の変化があり、学会出張なども控えたため、予定よりも使用額が少なかった。次年度には、試薬や実験器具等の購入費が必要になること、研究成果発表に関する経費も生じる可能性があることから、前年度未使用分も含め予算を使っていく予定である。
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