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2022 Fiscal Year Research-status Report

代謝改変によるCAR-T細胞療法の有効性向上の試み

Research Project

Project/Area Number 22K07228
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

三輪 啓志  三重大学, 医学系研究科, 産学官連携講座准教授 (00209967)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsCAR-T細胞 / エネルギー代謝
Outline of Annual Research Achievements

CD19 CAR-T細胞を抗原(プレートコートしたCD19抗原)刺激時に解糖阻害薬:2-deoxyglucose (2-DG)を添加することにより、γ-IFN産生に及ぼす影響を検討した。αβT細胞では2-DG 0.5mMでコントロールに比べγ-IFN産生が約20%増加した。γδT細胞では2-DG 0.5mMあるいは2mMでγ-IFN産生が20~30%増加した。
低濃度の解糖阻害によるγ-IFN産生亢進の機序として、糖新生→グリコーゲン生成、分解→ペントースリン酸回路活性化→NADPHの産生亢進(redox改善)によるT細胞疲弊の解除→エフェクター機能亢進 を想定しているが、Glycogen Phosphorylase Inhibitor あるいはペントースリン酸回路の阻害薬である6-aminonicotinamide (6-AN)の添加は低濃度の解糖阻害によるγ-IFN産生亢進を低下させた。特に6-AN添加によりγ-IFN産生亢進は強力にキャンセルされた。
低濃度の解糖阻害によるCAR-T細胞の代謝の変化を観察するため細胞外フラックスアナライザー(Seahorse)による解析をおこなった。2mM 2-DG添加により、basal oxygen consumption rate (OCR) の上昇が認められ、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化(酸素消費)が亢進していることが推察された。
今後は、低濃度の解糖阻害によりCAR-T細胞中の活性酸素(ROS)が減少するかどうか、また、疲弊マーカーの推移等を観察していく。さらに低濃度の解糖阻害によるγ-IFN産生亢進が標的細胞傷害に寄与しているかを観察する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

CAR-T細胞を抗原刺激時に低濃度の解糖阻害薬:2-deoxyglucose (2-DG)を添加することにより、γ-IFN産生が亢進することを確認した。αβT細胞とγδT細胞ではγ-IFN産生を亢進する2-DGの濃度に違いがあることも判明した。
低濃度の解糖阻害によるγ-IFN産生亢進の機序として、グリコーゲン分解、ペントースリン酸回路の関与を想定していたが、それぞれの阻害薬添加により低濃度の解糖阻害によるγ-IFN産生亢進はキャンセルされ、想定の妥当性が支持された。
低濃度の解糖阻害によるCAR-T細胞の代謝の変化を細胞外フラックスアナライザー(Seahorse)による解析で確認された。
以上、研究はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

今後は、低濃度の解糖阻害によりCAR-T細胞中の活性酸素(ROS)が減少するかどうか、また、疲弊マーカーの推移等を観察していく。さらに、低濃度の解糖阻害によるγ-IFN産生亢進が標的細胞の傷害活性につながっているかをin vitro さらには in vivo の系で検証していく。

Causes of Carryover

低濃度解糖阻害がCAR-T細胞の表現型、機能に及ぼす影響を検討するにあたり、阻害薬によるγ‐IFNの産生、フラックスアナライザー等の解析を先行させたためミトコンドリア染色色素の必要数が当初の計画よりも少なく済んだため。令和5年の研究遂行にあたり、消耗品に使用する予定です。

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Published: 2023-12-25  

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