2022 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経炎症性疾患の治療を遺伝・免疫・血清学的指標を用いて最適化する方法の確立
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22K07351
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邉 充 九州大学, 大学病院, 助教 (30748009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 拓也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00533001)
吉良 潤一 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (40183305)
磯部 紀子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60452752)
Maimaitijiang Guzailiayi 国際医療福祉大学, トランスレーショナルニューロサイエンスセンター, 特任助教 (60887107)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多発性硬化症 / 環境因子 / 遺伝的要因 / 視神経脊髄炎スペクトラム障害 / 免疫細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性硬化症(multiple sclerosis: MS)の環境要因として喫煙が知られており、我々は過去に喫煙歴のある者は障害度、重症度が高いことを示した。今回、疾患修飾薬で治療を受けているMS患者の疾患活動性が、喫煙の有無で影響を受けるかを評価した。疾患修飾薬のうち、フィンゴリモドおよびフマル酸ジメチルといった経口薬を使用しているMS患者では、喫煙者の方が非喫煙者より再発およびMRI活動性残存のリスクが高いことが明らかとなった。本内容は論文化を行った(Tanaka E, et al. Mult Scler Relat Disord 2023)。本結果から、MSの予後予測、治療効果予測を行う際には喫煙の有無を考慮すべきであることが明らかとなり、今後研究を進める際の参考になる。 MS患者のγδT細胞を含むT細胞、B細胞、単球、NK細胞分画の割合をフローサイトメトリー法を用いて評価している。現在、症例の蓄積を進めており、次年度患者背景や予後との関連などの解析を行う予定である。 さらにMS患者の認知機能とMRI上の脳萎縮や病巣容積との関連についてもデータを収集している。データ集積はある程度完了したため、日本人MSの遺伝的リスク因子とされているHLA-DRB1*15:01やDRB1*04:05の有無との関連について現在解析を進めている途中である。 また並行して、MS患者および視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorder: NMOSD)患者の血清・髄液を収集し、共同研究施設とともにバイオマーカー測定の準備を進めている。次年度測定を行うとともに、予後との関連解析等を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
想定より患者登録が遅れているため、進捗は全体として若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
MS患者の免疫細胞分画解析、および認知機能と脳萎縮の関連解析を進める予定である。またMS、NMOSD患者の血清、髄液中のバイオマーカー測定を共同研究施設と協力して行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は症例、検体、データの蓄積が主体であったことから、実際の解析やバイオマーカー測定など研究費を使用することが予定より少なかったため。
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