2022 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病における慢性脳低灌流のエピジェネティック制御を介した神経保護効果
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22K07512
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
間野 達雄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第四部, 室長 (20704331)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | エピゲノム / 慢性虚血 / 神経変性疾患 / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では慢性虚血がパーキンソン病(PD)発症リスクに与える影響について、エピゲノム変化に注目して解析を行う。特に、脳組織は複数の細胞種により構成されており、慢性虚血に対する反応は異なることが想定される。このため、細胞種特異的なエピゲノム解析を行う実験系を確立し、同実験系を慢性虚血マウスモデルに適用する。 脳組織における主要な細胞群について,それぞれの核および細胞質マーカーの検索を行う.その上で,フローサイトメトリーに利用可能な抗体について蛍光標識を行い,脳組織から分離した核の染色を行い,それぞれの細胞種を適切に染色できていることを確認する.これらの抗体を用いて,各種細胞核をフローサイトメトリーにより分離し,CUT&Tag法によるヒストン修飾解析を行った.神経細胞およびアストロサイトについては,細胞質マーカ用いて分離することが可能であった.オリゴデンドロサイトおよびミクログリアについては,核マーカーを用いることにより分離可能であった.ヒストン修飾解析については,HH3K4me3およびH3K27acについて行い,5000個の核からゲノムワイドのヒストンプロファイルデータを得ることができた.Technical replicateではいずれも相関係数0.9以上と,少ない細胞数から良好な再現性のあるデータを得ることができた.Gene ontology解析ではそれぞれの細胞種の機能を反映した遺伝子領域のピーク検出ができていることを確認した. 本手法を慢性脳虚血モデルマウスに適用し,ヒストン修飾解析およびクロマチンアクセシビリティ解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞種特異的エピゲノム解析を行うための実験系を確立し、慢性虚血モデルの解析を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに進んでおり、エピゲノム解析を行うことにより慢性虚血による細胞機能の変化を明らかにし,そのような変化がパーキンソン病発症にどのような影響を与えうるのかについて明らかにする。
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