2023 Fiscal Year Research-status Report
超偏極MRI技術を用いた転移性肝がん超早期診断モデルの開発
Project/Area Number |
22K07795
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
五島 聡 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90402205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚橋 裕吉 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40724563)
市川 新太郎 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20456479)
兵藤 文紀 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10380693)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超偏極 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
転移性肝がんマウスモデル作製のため、大腸癌モデル腫瘍細胞(Colon 26)を経脾臓的に注入し、脾静脈-門脈の経路を利用し肝臓への転移巣形成を試みた。細胞注入直後から肝臓に腫瘍細胞が生着し腫瘍塊を形成するまでMRIにて観測を行った結果、一部のマウスでは肝臓への転移を確認することが可能であったが、大部分は注入部である脾臓内での腫瘍塊形成が顕著であった。本モデルでは脾臓の腫瘍塊の信号が強く、dissolution DNP-MRSによる微小病変を想定した解析には適合しなかった。続いて肝組織に直接腫瘍細胞を注入するモデルに変更した。移植後腫瘍の生着から成長に伴うがん代謝をdissolution DNP-MRSにて計測を行った結果、腫瘍細胞投与わずか1週間において、超偏極した13C pyruvateを投与した場合、がん代謝による13Lactateの産生を確認することができた。またその変化は腫瘍の成長に依存して大きくなることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスモデルの作製に苦慮したものの、肝臓内へ直接腫瘍細胞を注入することで微小肝転移モデルの作製に成功した。またdissolution DNP-MRSにてがん細胞注入初期段階から13C-Pyruvate/13C-Lactate比に変化を及ぼすことが確認出来たため、期間内に本研究の目的が達成されることが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の申請研究では、通常のMRIによる形態診断では検出することが困難な微小肝転移に対してがん代謝に基づいた高感度検出法を確立することを目的としている。来年度は肝組織への腫瘍細胞の移植後超早期(1~3日)におけるがん代謝の検出について再現性の有無も含めた検証を進める。また分担研究者の岐阜大学では無冷媒式超偏極装置が導入され、以前の装置に比べ2倍以上の高感度化が達成されている。これらの装置を用いて肝組織におけるがん代謝の検出の限界値を検討する。
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Causes of Carryover |
試薬の価格高騰と輸送遅延のため、研究開始当初から購入予定が変更となった。
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