2023 Fiscal Year Research-status Report
Role of plaque structural stress on collagen remodeling in patients with coronary artery disease
Project/Area Number |
22K08109
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
大塚 憲一郎 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60726074)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉家 康宏 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10515414)
福田 大受 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40637568)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 動脈硬化 / 心筋梗塞 / 血管炎症 / 構造ストレス / 有限要素解析 / 血管内イメージング / 血管周囲脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、慢性炎症が種々の生活習慣病の病態に関与することが示唆されている。冠動脈壁は、血流の剪断応力や血管固有の構造ストレスなど、過剰なメカニカルストレスに晒されている。本研究は、動脈硬化の基盤病態である血管の慢性炎症を惹起する機序として、プラークのバイオメカニカルストレスに注目し、切除プラークを用いた分子生物学的解析を行い、抗炎症治療確立のための標的分子の探索を行う。(検討1)細胞外マトリックスのリモデリングを血管内画像診断により観察し、プラーク構造ストレスとの関連を解析することで、動脈硬化プラークの不安定化の機序の探索を目的としている。冠動脈内でコラーゲン性状を観察するイメージング技術(PS-OFDI)を開発し、冠動脈疾患を対象とした臨床研究を開始した。急性冠症候群、慢性冠症候群患者の病変をPS-OFDIを用いて観察した。また、同部位をNIRS-IVUSを用いて観察した。これらの画像から融合画像を作成し、有限要素解析を行う予定である。また、機械学習を用いて解析した病変部のPS-OFDI画像により得られた複屈折値を算出した。(検討2)方向性粥腫切削術により得られた冠動脈プラークを-80度で凍結保存した(15例)。得られたプラーク組織を解析し、プラークの形態、コラーゲン性状、メカニカルストレスと比較検討を行っている。また、病変局所、大動脈基部、末梢血を保存し、cell free DNAの濃度を測定した。検討1および2から、不安定プラークの形態と機能解析を行い、プラーク構造ストレスと血管炎症機序の相関関係を解析する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、PS-OFDIシステムを大阪公立大学医学部附属病院に導入した。冠動脈疾患患者を対象とし、PS-OFDIを含む血管内画像診断を用いて、プラークの光学特性と構造ストレスを比較検討した。冠動脈疾患患者の責任/標的冠動脈病変部にPS-OFDIとIVUSを施行した。有限要素解析に必要な融合画像を作成し、プラーク構造ストレスを算出した。今後、症例数を増やし、構造ストレスとプラークのコラーゲン性状の解析を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
最新の血管内イメージング技術と、冠動脈病変枝の血液やプラーク組織を分子生物学的・バイオインフォマティクス的手法を組み合わせることにより、過剰なメカニカルストレスに伴う細胞外マトリクス分解と血管炎症、プラーク不安定化に関わる標的分子を同定する。一般的炎症経路に加えて、メカニカルストレスにより引き起こされる血管炎症や血管内皮治癒に着目し、心筋梗塞の病態を解明することで新規治療戦略の開発に繋げたい。
|
Causes of Carryover |
研究に必要なデータ取得はおおむね順調に経過している。次年度、血液検体、プラーク検体の解析をすすめていく。
|