2022 Fiscal Year Research-status Report
IL-21による皮膚樹状細胞の機能調節を介した接触型過敏症の病態形成機構の解明
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22K08439
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須藤 一 順天堂大学, 大学院医学研究科, 非常勤講師 (90286740)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アレルギー / 接触皮膚炎 / サイトカイン / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
IL-21は、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞、濾胞ヘルパーT細胞といったヘルパーT細胞の分化や活性化に関わる。したがって、IL-21はヘルパーT細胞が炎症の誘導に関与する接触皮膚炎の誘導に何らかの関わりを持っていることが推測される。そこで、IL-21受容体(IL-21R)欠損マウスに接触皮膚炎を誘導し、接触皮膚炎におけるIL-21の役割の解明を目指した。IL-21R欠損マウスでは、野生型マウスに比べて接触皮膚炎が増悪した。ハプテンで感作した野生型マウスとIL-21R欠損マウスのリンパ節細胞内のハプテン特異的なTh1細胞、Th2細胞、Th17細胞の割合は同等であった。また、ハプテンで感作した野生型マウスとIL-21R欠損マウスのリンパ節細胞を、未感作の野生型マウスに移植したのち、ハプテンを塗布して、移植した細胞依存的に接触皮膚炎を誘導した場合においても、野生型マウスのリンパ節細胞を移入した群とIL-21R欠損マウスのリンパ節細胞を移入した群間で接触皮膚炎の程度には差は見られなかった。皮膚炎局所では、炎症を誘導する因子だけでなく、炎症を鎮静化させるための炎症抑制因子の発現が上昇する。実際に、抗炎症性サイトカインであるIL-10の代わりに蛍光タンパク質を発現するマウス(IL-10-venusマウス)に接触皮膚炎を誘導すると、炎症局所で蛍光タンパク質を発現する細胞が増えることが明らかになった。そこで、IL-21は炎症局所でIL-10などのサイトカインを誘導することで炎症の抑制に関わっていると仮定し、その証明のために、IL-21R欠損IL-10-venusマウスの作成を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
引き続き、計画通りに進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型マウスに接触皮膚炎を誘導し、皮膚炎局所におけるIL-21産生細胞及びIL-21R発現細胞をFACSや免疫染色により同定を行う。マウス骨髄細胞をGM-CSF存在化で培養し、樹状細胞を作成する。この樹状細胞をIL-21で刺激を行い、IL-10の産生が誘導されるかどうか、qPCRやELISAにて評価を行う。また、IL-10-venusマウス及びIL-21R欠損IL-10-venusマウス(negative control)の耳介皮膚にIL-21を投与し、IL-10の産生が誘導されるかどうか、qPCRや免疫染色により確認を行う。
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Causes of Carryover |
必要な試薬(海外からの輸入)が年度内に納品されなかったため。
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