2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K08669
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
喜多 俊文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい准教授 (10746572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 法一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (30506308)
西澤 均 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (20379259)
藤島 裕也 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10779789)
福田 士郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00896467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アディポネクチン / エクソソーム / カドヘリン / β細胞増殖 / 間葉系幹細胞 / 可溶性T-カドヘリン |
Outline of Annual Research Achievements |
アディポネクチン(APN)/T-カドヘリン(T-cad)学を追求することで、①血中エクソソーム(Exo)の量的調節とその意義、②間葉系幹細胞(MSC)の作用機序と応用、③可溶性T-cad(sT-cad)の産生調節と生理機能の解明を進める。①生理的APNの生理的受容体はT-cadであり、APNによるExo産生調節機構を解明しているが、さらにヒトAPN過剰発現マウスでは血中Exoが増加することを報告した(Endocrine J 2023)。またExo産生は小胞体ストレスによって強く抑制されることを見出した(JBC 2023)。また、HIF活性化薬投与によって血中エクソソームが増加することを明らかにした(Sci Rep 2023)。②血中APNは移植MSCsに発現するT-cadを介しExo産生を促進するが、さらに雄性NODマウスに免疫チェックポイント阻害薬を投与することで誘導される1型糖尿病にもMSCが有効であり(Diabetologia 2022, 特許7117704, PCT/JP2022/005125)、M担癌マウスへのMSC投与は免疫チェックポイント阻害薬の有効性に影響せず、むしろMSC単独投与では有意に癌の増殖を抑制することを明らかにした(in preparation)。③T-cadは膜分子としてだけでなく、可溶性分子(sT-cad)として血中にも存在する (JCEM2021)。sT-cadは膵β細胞の増殖促進活性を有することを見出しているが(iScience 2022)、さらにインスリン枯渇病態においてヒト、マウスで共に増加し、内皮細胞が主要な産生細胞であること、Aktシグナルの低下によって産生増強されることを報告した(BBRC under review)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
①血中エクソソーム(Exo)の量的調節とその意義に関しては、Cre依存的に産生されるエクソソームがルシフェラーゼ標識され、かつ産生細胞が蛍光標識できるエクソソーム可視化マウスを構築しており、7種に及ぶ組織細胞特異的Creマウスとの交配を進め、既に研究を進めている。 ②間葉系幹細胞(MSC)の作用機序と応用については、ロート製薬との共同研究を進めており、主要な懸念点であったチェックポイント阻害薬の抗癌作用への影響がないことをマウスモデルを用いて立証できた。 ③可溶性T-cad(sT-cad)の産生調節と生理機能の解明に関しては、インスリン枯渇(1型糖尿病患者)あるいはインスリンシグナル(PI3K)阻害薬投与がん患者において、血中濃度が高いことを明らかにし、内皮細胞におけるAktシグナルが調節点であることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
任期雇用10年を経過したことで民間企業に移籍し、大阪大学では招へい准教授として、引き続き当初の計画に従って研究を推進する。
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