2022 Fiscal Year Research-status Report
in vivoエストロゲン非依存性乳癌細胞株による内分泌療法抵抗性機序の解析研究
Project/Area Number |
22K08727
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山田 英幸 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30925102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 淳太 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20896427)
長嶋 健 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (60292710)
藤本 浩司 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60456027)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
高田 護 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 助教 (90800392)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Luminal type / エストロゲン抵抗性 / breast cancer / animal model / endocrine therapy |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画調書で示した通り、エストロゲン非依存性の乳癌細胞株(in vivo-estrogen-independent breast cancer celllines: iEIBCCs)を複数樹立した。それぞれの細胞株に対して免疫染色、WB (Western blotting)を行った。その結果ER (Estrogen Receptor)の発現や他の増殖シグナルの活性化については親株より発現が上昇しているものや同等のもの、低下しているものなど多様であり、各々異なるエストロゲン非依存性メカニズムを獲得していると考えられた。 今回、我々は乳癌のエストロゲン依存性メカニズムの探索を目的としたiEIBCCsのRNA seqを施行し、それぞれの細胞株の増殖シグナル等を網羅的に解析した。RNA seqは親株、iEIBCCs 4種類、合わせて5種類の細胞株を用いtriplicateした。 RNA seqの結果の主成分分析により評価を行ったところ、各celllinesの発現パターンの類似性から信頼度の高い解析結果であることが確認された。さらに、4種類のiEIBCCは全て親株と異なる性質を持ち、iEIBCCsもそれぞれ異なる遺伝子発現パターンを示し、これらは異なるER非依存性メカニズムを有していることを見出した。例えば、ERをコードする遺伝子のESR1の発現に着目したところ、親株と比較しESR1の発現が高度に失われた細胞株、中等度に失われた細胞株、発現が同等の細胞株、親株と比してESR1の発現を強く認めるものと多様であった。また、増殖シグナルの一つであるHER familyをコードする遺伝子 (ERBB2, ERBB3, ERBB4)についても同様であった。これらはWBにより、タンパク発現と相関することを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学の医学部棟の移転に伴って研究室の移動に伴う新しい研究室のセットアップにより長期間研究の一時中断を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 予定通り乳癌の各種内分泌療法抵抗性モデルの作成を行う。方法としては、Ovarectomy を 施行した NOD/Scid マウス モ デ ル に iEIBCCs を orthotopic に 移 植 し 、Aromatase 阻害剤 (Letrozole, exemestane ) 、SERM (Tamoxifen ) 、 CDK4/6 阻害剤(palbociclib, abemaciclib, ribociclib)、mTOR阻害剤(everolimus)、vEGF阻害剤(bevacizumab)を投与し、それぞれの耐性株の樹立を行う。 2) 1)で作成された耐性株を用いてRNA seq, ChIP seq, ATAC seqのいずれか、もしくは全てを行い、IEIBCCのRNA seqのデータと比較し、耐性メカニズムに迫る。その際に1)の腫瘤のHE染色、RNA sequenceのデータをもとにしたIHC染色を行い、表現型の異なる部位をmicro-dissectionで分離し、それぞれをRNA seq, ChIP seq, ATAC seqで解析する。その結果のpathway解析から主たるDriver mutation、Loss等を同定し、分子生化学的手法(CRISPR-KO, CRISPR-KI, over expression等)から治療抵抗性、Heterogeneityのメカニズム、さらにはそれを克服するための治療戦略構築を目指す。
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