2022 Fiscal Year Research-status Report
胆道癌におけるChemokineによる悪性度進行機構の解明
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22K08813
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中西 喜嗣 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (40447058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
土川 貴裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (50507572)
佐々木 勝則 北海道大学, 医学研究院, 学術研究員 (60336394)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ケモカイン / 胆道癌 / 上皮間葉転換 / 癌関連微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)細胞株使用実験:ケモカインレセプターCXCR7に関して、4種の細胞株 (KKU-100, TFK-1, EGI-1, TYBDC-1) においてPCR, western blotで発現を確認し、CXCR7のリガンドであるCXCL12 を添加したmigration assay, invasion assayにより、CXCR7が発現していた細胞株 (KKU-100, TFK-1, TYBDC-1) の遊走能、浸潤能の上昇を確認した。また、特にCXCR7の発現が強かった一種の細胞株について、CXCR12の中和抗体を添加したmigrationならびにinvasion assayでは、中和抗体を添加した細胞でmigration, invasion がともに抑制されることが判明した。加えて、中和抗体により、当該細胞株において、Rt-qPCRでE-cadherinの発現低下を認めた。 2)病理組織検体使用実験:肝門部領域胆管癌切除検体においてCXCR7染色を行い、染色強度を三段階に群分けしたところ、免疫染色強度が強くなるにつれ、予後が不良であったことも示された。また、臨床病理学低因子としては、CXCR7免疫染色強度が高度である症例は主病巣の深達度が深く、リンパ節転移頻度が高い傾向にあった。 3)遺伝子解析(計画書に記載外の研究):当科切除標本から摘出された凍結検体約50例にてRNA sequenceを行い、Differential expression gene解析でCXCR7発現によって2群間に分類し、Gene set enrichment analysis解析で腫瘍関連のpathwayを確認したところ、CXCR7強陽性群でepithelial mesenchymal transition pathwayのup-regulationされていたことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定された研究はほぼ順調に行われている。また、計画では予定されていなかった、RNA sequenceのデータも加味され、研究に厚みが増しているとも考えられる。 一方で、マウスを使用した動物実験、患者血清を使用したケモカイン濃度の測定などは、COVID-19感染蔓延などにより、予定が遅れる見通しとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA sequenceの結果が非常に興味深いことから、さらに50例ほどのsequenceを追加する予定である。 また、マウスによる実験を令和5年度は施行する予定である。 さらには、細胞株の実験にて、特にこちらの予測に合致するものについては、CXCR7のノックダウンを行い、リガンド添加による生物活性の比較を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和4年度予定されていた実験の一部が令和5年度に施行すること、また、凍結検体を用いたRNA sequenceの追加研究が必要になっていることなどから、令和5年度に予算を繰り越す必要がある。
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