2022 Fiscal Year Research-status Report
胃癌ゲノムデータを基にした免疫チェックポイント阻害剤治療効果関連因子の包括的評価
Project/Area Number |
22K08865
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
羽入 隆晃 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50719705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50721875)
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
加納 陽介 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90745580)
宗岡 悠介 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00769391)
臼井 賢司 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70769413)
酒井 剛 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60769412)
凌 一葦 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (70804540)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 胃癌 / tumor mutation burden / PD-L1 / nivolumab |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「胃癌における免疫チェックポイント阻害剤関連因子を包括的に評価し、免疫チェックポイント阻害剤を基軸とした胃癌薬物治療発展への足がかりとすること」である。本年度は、胃癌におけるtumor mutation burden (TMB)とPD-L1発現や臨床病理学的因子との関連を検討した。 切除不能進行再発胃癌に対してnivolumab単剤治療を施行され、胃切除で得られた腫瘍組織のFFPE検体を用いて癌遺伝子パネルによる遺伝子解析を施行された18例を対象とした。胃切除で得られた腫瘍組織のFFPE検体を用いて免疫組織化学染色によりPD-L1 (28-8)の発現を評価した。TMBとCombined positive score (CPS)によるPD-L1発現評価との関連については、CPS1以上ではCPS1未満と比較してTMBが有意に高値であった。また、nivolumab単剤治療の最良効果がCR/PR/SDの症例ではPDの症例と比較してTMBが高い傾向を認めた。さらに、CR/PR/SDの症例ではPD-L1 CPS1以上の症例や治療中に整腸剤を投与していた症例が多い傾向を認めた。最良効果と年齢、PS、BMI等のその他の臨床病理学的因子との間に有意な関連は認められなかった。 胃癌におけるnivolumab単剤治療はTMB高値の症例に高い効果が認められる。腸内細菌叢と免疫チェックポイント阻害剤の治療効果の関連についてはさまざまな癌腫で報告されており、今回の検討で整腸剤を併用した症例で比較的最良効果が高い傾向を認めたことは興味深い知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃癌nivolumab単剤治療症例のTMBとPD-L1や治療効果といった臨床病理学的因子との関連を検討できており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は同対象群の遺伝子変異やmutational signatureとnivolumab治療効果や予後との関連を検討する。研究結果は学術論文として投稿予定である。
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Causes of Carryover |
現地参加の学会が少なかったことから若干の次年度使用額が生じた。翌年度分の助成金と合わせて、今後の実験費用(リンパ球マーカーの免疫染色費用)や、学術集会への参加費、学術論文の投稿費用、研究補助の人件費等に充当する。
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