2022 Fiscal Year Research-status Report
薬物介入による血中サブスタンスP濃度制御と食道癌術後の誤嚥治療または予防効果
Project/Area Number |
22K08904
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
安田 卓司 近畿大学, 医学部, 教授 (10324782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 元博 近畿大学, 大学病院, 教授 (00278681)
新海 政幸 近畿大学, 医学部, 講師 (80340793)
安田 篤 近畿大学, 医学部, 講師 (60351615)
白石 治 近畿大学, 医学部, 講師 (70388536)
加藤 寛章 近畿大学, 医学部, 講師 (30460900)
萩 隆臣 近畿大学, 医学部, 助教 (50804465)
平木 洋子 近畿大学, 大学病院, 助教 (10709661)
百瀬 洸太 近畿大学, 医学部, 助教 (50749752) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | サブスタンスP / 誤嚥 / 食道癌 / 不顕性脳梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2015年に取得した科研費研究:15K10121「食道癌手術後誤嚥に対する潜在的ハイリスク患者の予測システムの構築とその臨床応用」を発展・継続させている研究課題:22K08904「薬物介入による血中サブスタンスP濃度制御と食道癌術後の誤嚥治療または予防効果」です。これまでの症例集積に加えて、2022年度は24名の症例登録を行いました。症例登録目標は脱落やデータ欠損例を考慮して165例としていますが、現在161例の登録が完了している状況です。2022年度の開始当初は目標登録症例数まで残り28例であり、十分年度内に症例登録は完了し、血中サブスタンスPの測定依頼をする予定でありましたが、別項にも記載しましたように2022年8月に当該病棟でcovid-19のクラスターが発生し、入院と手術に大幅な制限がかかったために症例集積に関して若干の遅れが生じてしまいました。ただ、残りはわずか4例であり、登録が完了した後に本格的に解析に入る予定です。これまで登録が完了した症例に関しては、耳鼻咽喉科医による嚥下内視鏡下の嚥下評価、言語聴覚士の下での嚥下造影による嚥下評価、脳MRIによる不顕性脳梗塞の有無と部位の評価は完了している状況です。術後の誤嚥の有無および嚥下機能の評価は159例で完了しています。今後はターゲットの血中濃度サブスタンスP濃度の測定とその測定値と嚥下機能などの関連を検討していく予定です。現在、No.66の症例まで血中サブスタンスP濃度は測定されていますが、その中間解析の結果では、術前の血中サブスタンスP濃度は50pg/mlで区切ると低値群が有意に術後の誤嚥を発症するリスクが高く(p=0.045)、その有用性に関しては期待が持てると考えています。いずれにしろ、残りに関して症例登録完了後にまとめて測定に取りかかる予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度で症例登録は完了し、血中サブスタンスPの濃度測定に取り掛かる予定でありましたが、現在登録終了まで4例であり、わずかに遅れていると判断しています。理由は2022年8月に当該病棟で発生したcovid-19のクラスターです。約1ヶ月間入院・手術に大幅な制限がかかり、その後も病棟の半分がcovid-19患者の隔離病棟として使用が継続されたために予定通りの入院・加療ができなかったのが原因です。ただ、後1~2ヶ月で登録は完了する予定で、その後はすぐに測定に取りかかれる状況にありますので、特に大きな研究進捗の遅れにはつながらないと考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
後1~2ヶ月で症例登録は終了すると考えていますので、終わり次第血中サブスタンスP濃度の測定に取りかかる予定です。測定値が判明しましたら、最初の100例で術前の血中サブスタンスP濃度と嚥下機能や不顕性脳梗塞の有無や部位と比較して関連性を検討し、更に術後の嚥下機能および誤嚥の有無と比較して術後の誤嚥予測に関する術前の血中サブスタンスP濃度のカットオフ値を設定し、残りの65例の症例のデータに当てはめてその有用性について検証する予定です。 その後の研究については、現在の研究結果次第ではありますが、血中サブスタンスPの有用性が明らかになったとすれば、実臨床で応用していくために測定の簡易化の開発研究にも取り組みつつ、実際に術前に血中サブスタンスP低値の症例に対して薬物介入で嚥下機能を改善し、誤嚥防止に有効に機能するかの検証を行なっていく予定です。
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Causes of Carryover |
現在取り組んでいる臨床試験は2015年度から2019年度まで科研費で実施していた研究を発展・継続させたもので、2022年4月の本試験開始の時点ですでに137例の症例登録があり、目標症例登録数の165例まで28例でありました。そのため2022年12月までに症例登録は完了し、2023年の年度末までには血中サブスタンスP濃度の測定のための外注も全て完了していると考えて当初の支出予定を計画しました。しかし、2022年8月に当該病棟でcovid-19のクラスターが発生し、入院と手術が大幅に制限される事態となりました。この制限は約1ヶ月で解除となりましたが、その後も病棟の半分をcovid-19病棟として院内で発生したcovid-19患者の隔離に使用が継続されたために十分な入院・加療が行えず、症例集積に遅れが生じてしまいました。結果的に2022年度内には症例集積が完了せず、血中サブスタンスP濃度の測定の外注依頼はしなかったために予定した支出のほとんんどが2023年度に繰り越す状況となりました。ただ、登録完了まで残りわずか4例であり、2023年度早々に症例登録は完了し、その後準備が整い次第血中サブスタンスPの測定を依頼する予定で、予定通りに研究は進捗し、助成金も適正に使用されていくものと考えています。
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