2023 Fiscal Year Research-status Report
ナノポアシークエンサーによる血中マイクロバイオーム解析に基づく敗血症診断技術開発
Project/Area Number |
22K09106
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松尾 禎之 関西医科大学, 医学部, 講師 (50447926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 喜一 関西医科大学, 医学部, 研究員 (00283606) [Withdrawn]
西 憲一郎 関西医科大学, 医学部, 研究員 (50340716) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 細菌 / 真菌 / ナノポアシークエンシング / マイクロバイオーム / 感染 / DNAメタバーコーディング |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症診断において病原微生物の同定は治療方針の決定や抗菌薬選択に重要な情報をもたらすが、現在の標準的な検査である培養法は迅速性に乏しく、同定精度の点においても限界を有する。培養に依存しない検査法として、検体中に含まれる微生物ゲノムDNAの配列を解読し菌種を同定する方法が開発されている。この塩基配列解析に基づく解析法はDNAメタバーコーディングとも呼ばれ、菌種同定に要する時間を大幅に短縮するとともに、より包括的な微生物プロファイリングを提供することが可能である。本研究では細菌と並んで臨床的に重要な病原微生物である真菌類を標的とし、ナノポアシークエンシング技術を用いたロングリード解析により、高い分類学的解像度を備えた菌種同定ワークフローの確立を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
真菌リボソームRNA遺伝子を標的とし、PCRにより増幅した複数の領域についてアンプリコンシークエンシングを実施し、各領域について同定精度の検証を行った。ロングリード技術を活用した長鎖DNA配列を用いることにより、真菌集団を模した疑似サンプルおよび臨床検体において同定精度の向上が認められ多くの真菌を種レベルで同定することが可能となった。また配列データの品質向上のための解析パイプラインを構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
本解析技術の有する検出感度や同定精度、敗血症診断ツールとしての有用性について評価を行う。複数サンプルの同時解析によるスループット向上を目的として、プロトコールの改善を図る。
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Causes of Carryover |
研究の遂行にあたり必要に応じて無駄のない研究費の執行に務めたため、当初の見込み額と執行額に差額が生じたが、研究計画に大きな変更はなく当初の予定通りに研究を遂行し、適切な研究費の使用に務める。
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