2022 Fiscal Year Research-status Report
人工呼吸器関連肺障害における肺血管内皮グリコカリックスの動態と新たな治療法の探索
Project/Area Number |
22K09123
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
菊池 謙一郎 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70875723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
数馬 聡 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20722060)
山蔭 道明 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70285005)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 呼吸器関連肺障害 / グリコカリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスにリポポリサッカライドを投与し,過剰な一回換気量(20 mL/kg)で人工呼吸管理を行うことで呼吸器関連肺障害(VILI)モデルを作製した.VILIマウスでは組織学的肺障害と気管支肺胞洗浄液および血中炎症性サイトカイン濃度の増加を認め,肺障害と全身性の炎症が惹起されることが確認された.VILIマウスにおける肺凍結切片の蛍光レクチン染色と血中シンデカン-1濃度測定では,コントロールと比較して蛍光レクチン面積の減少と血中シンデカン-1濃度の上昇を認め,VILIマウスにおいてグリコカリックス障害が起きていることが示唆された.VILIに対する治療薬の投与により,気管支肺胞洗浄液および血中の炎症性サイトカイン濃度の低下,蛍光レクチン面積の増大および血中シンデカン-1濃度の低下を認め,肺および全身性の炎症の抑制,さらにグリコカリックス障害が抑制されることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスVILIモデルの作製が完了し,治療薬投与による効果を確認できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
VILI発症と治療薬による障害抑制機序の評価のため,各種サイトカインや活性酸素,好中球の評価などを実施する.
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Causes of Carryover |
購入予定物品が年度内に納入できず、次年度購入予定にしたため。
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