2022 Fiscal Year Research-status Report
脂肪細胞による全身性炎症反応制御:オートファジーとアディポカイン産生
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22K09140
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蛯原 健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (10813975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 士郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00896467)
喜多 俊文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座講師 (10746572)
杉原 文徳 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (50381645)
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
小倉 裕司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
松本 寿健 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70644003)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アディポネクチン / カドヘリン / 熱傷 / 血管内皮障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下の2つに注目し研究を行う。1)SIRS患者(敗血症、熱傷、CVID-19)の脂肪組織におけるオートファジーの役割を明らかにする。2)SIRS患者におけるアディポネクチン/Tカドヘリンの役割を明らかにする。 本年度は2)に対して重症熱傷患者を対象にアディポネクチン、T-カドヘリンの動態を明らかにした。対象は重症熱傷64例、健常コントロール16例である。熱傷患者のうち12例は死亡した。血漿中の、アディポネクチンと3種類(130kDa、100kDa、30kDa)のT-カドヘリンを複数回、ELISA法を用いて測定した。また併せて血管内皮障害のマーカーとしてPAI-1、Hyaluronan、Syndecan-1、Glypican-1もELISA法を用いて測定した。結果として、死亡例では来院時に採取した血漿のアディポネクチンが有意に高値を示した。一方、T-カドヘリンと死亡との関連は認めなかった。熱傷では初期に血管内皮障害を契機とした血管透過性の亢進が生じるが、循環を維持するために大量の輸液投与をおこなう。この初期24時間の輸液量と来院時に採取した血漿中のTカドヘリン(100kDa)が逆相関を示していた。このT-カドヘリンは血管内皮障害が生じた場合上昇する、PAI-1、Syndecan-1、Hyaluronanとも逆相関を認めたことから、血管内皮障害の程度に応じて血中のTカドヘリンが低下していることが予想された。アディポネクチンはTカドヘリンに結合し細胞保護的に働くことがわかっており、熱傷侵襲により傷ついた血管内皮の修復にTカドヘリンが使用されている可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2に対しては予定通り進んでいるが、研究1の検体採取がすすんでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1に対して、該当症例における検体採取をすすめていく。研究2に対して既に集積している敗血症(細菌性)ならびにCOIVD-19患者の血漿を用いて解析をすすめていく。研究2ではエクソソームのプロテオミクスとして質量分析の方法を確立していく。
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Causes of Carryover |
本年度に行った研究成果の論文発表が今年度中にできず、必要経費が次年度使用となったため。次年度では、当該費を含めた助成金を、予定している基礎研究の物品購入費用、研究成果をまとめた論文の英文校正費用ならびにオープンアクス費用として使用することを計画している。
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