2022 Fiscal Year Research-status Report
新規肺特異的疑似毛細血管壁モデルによるARDS病態解明と治療開発
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22K09184
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 健之 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30432967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 慎介 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10404211)
諸藤 陽一 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40437869)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ARDS / 血管透過性亢進 / 敗血症性ショック / ROCK / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の概要は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の主座病変は細胞間接着因子破綻による血管内皮細胞バリア破綻(血管透過性亢進)を引き起こす分子基盤を解析解明することである。研究分担者の諸藤、中川らが開発してBBB(脳血管関門バリア)のvitro研究のスタンダード手法となりつつある脳血管内皮細胞疑似血管壁モデルを基盤に、肺由来細胞を使用した肺特異的な血管内皮細胞疑似血管壁モデルを確立して、セロトニンやROCK活性の関与を証明するという目的である。肺特異的細胞による疑似血管壁モデル確立のステップの実験を検証中である。そのステップにおけるテクニカルな問題(使用するペリサイトの臓器特異性の問題など)の検証が課題となっている。その議論の過程で、実験手技的なノウハウを問題解決に反映できるように研究分担者の経験がすでに十分あるモデルのベースとなる脳血管内皮細胞vitroモデル(BBB vitroモデル)を使用してvitroアッセイの過程を検証する議論と計画を追加で行った。その議論の過程で、アッセイ系の基本となるBBB vitroモデルを用いて複数の抗菌薬の髄液移行評価のvitroでの検証を並行して開始しており、現在各種抗菌薬の髄液移行性の予備実験を行っている。抗菌薬の濃度測定に関しては当院薬剤部の研究協力を依頼した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度も、前年度からの影響でコロナウイルス感染症の影響が多少あり、院内職員の規定もあり研究分担者との対面の実験、コミュニケーションに割く時間が十分ではなく、進捗に多少遅れを生じている。当初研究計画で設定していた肺特異的な血管内皮細胞と、ペリサイトとしては脳由来のペリサイト(セルライン)を予定していた。アッセイ確立には問題がないと考えているが、細胞培養の安定性に対して、この臓器特異性の要素が問題となるかどうかが議論となり、検証継続中である。BBBvitroモデルでの複数抗菌薬の髄液移行性検証は複数抗菌薬の濃度測定系の検証を薬剤部で並行して行い、まずは非刺激下非炎症下での透過性の検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
実験系の構築を急ぐために、可能な限り、研究分担者とのオンライン会議などで打ち合わせを行い研究を進めていたが、令和4度末から従来通りのコミュニケーションが可能となってきたため、令和5年度は遅延していた計画を進めていく準備はできている。今後の実験の進捗次第で、アッセイの安定性が問題となる場合には、肺由来のペリサイトをvivoでの分離を行い、アッセイに使用する代替案を検討していく。BBB vitroモデルを用いた抗菌薬透過性の実験は予備実験をすでに開始しており、そのアッセイの評価は薬剤部との共同研究で引き続き継続する。その手技的な確認をBBBモデルで行いながら、上記の進捗遅延のひとつの課題であるペリサイトの懸念を解決することを目標に研究計画を分担研究者と進めていく。
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Causes of Carryover |
研究進捗に記載のように研究計画実行にやや遅延が生じ、購入予定のものが次年度に繰り越したこと、研究計画の遅延で学会発表の機会が減り、旅費使用が予定よりも少なかったことが理由である。次年度は使用計画が少し進むことが見込まれ、透過性実験検証の頻度が増えるために使用する内皮細胞の購入や、並行して開始しているBBBモデルの薬剤透過性実験関連の実験プレート(細胞込み)などの購入を予定しており、繰り越し分の使用を予定している。
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