2022 Fiscal Year Research-status Report
定量的MRIによる神経膠腫の分子診断と可視化技術の開発
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22K09200
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
木下 学 旭川医科大学, 医学部, 教授 (40448064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 英之 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 脳神経外科 部長 (60570570)
金村 米博 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 機関長・部門長クラス (80344175)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / MRI / 定量的MRI / Radomics |
Outline of Annual Research Achievements |
分子生物学を基盤においた創薬技術の進歩により、神経膠腫に対する治療概念が今後大きく変わっていくことが見込まれる。IDH変異に対する選択的分子阻害薬を臨床応用できる可能性が高まっているが、このような薬剤の適応を明らかにするためには現状では手術で腫瘍検体を採取し調べることが必要となる。脳腫瘍手術が抱える侵襲性を考えると、放射線画像のような非侵襲的な手段で腫瘍の分子遺伝学的特徴を診断できるような技術の開発が求められている。また神経膠腫は大脳という神経組織内に発生する悪性腫瘍という特徴を有するため、この疾患を適切に治療するためには、「腫瘍学」の視点から病態を可視化する必要がある。しかしながら、現行のMRI画像が病態を必ずしも正確に描出できていないにもかかわらず、神経膠腫の治療戦略はMRI画像を重要視して計画されている。本研究はこれらの問題を解決することを目的として、脳組織の画像化技術として世界で最も普及しているMRIで、「qMRI」に着目して神経膠腫の分子遺伝学的情報と腫瘍組織の脳内での空間的分布を可視化することを目指している。 その一方で、qMRIは、従来のMRIと異なり、撮影組織のT1・T2緩和時間の絶対定量値を測定することができる新規のMRI撮像技術であるが、一般臨床現場ではまだ実用化されていない。 2022年度は「神経膠腫のqMRIデータの蓄積」を主な研究目標においていた。本施設でqMRIを取得するシステムを構築することができた。また2022年度にのべ42例のqMRIを蓄積することができた。研究代表者の前任地である大阪国際がんセンターで撮影されたものを含めると総数のべ70例のqMRIが取得されたことになり、国内外で有数のコホートを構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定した「1)神経膠腫の経時的qMRIデータの蓄積」を達しており、上記の判断とした。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度(2023年度)は当初の予定通り、下記のデータ解析を行う。
「広範囲遺伝子解析データ解析」 凍結検体抽出DNA/RNAを用いて、次世代シークエンサーによる解析をおこなう。これまでの先行研究データなどから、神経膠腫におけるdriverとなる遺伝子を中心にパネルを作成、target sequencingおよびdeep sequencingによる変異アレル頻度の測定をおこない、遺伝子プロファイルの差を明らかにする。また、DNAのメチル化状態 (Methylation EPIC BeadChipで評価) や、DNAコピー数評価も行なう。
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Causes of Carryover |
本研究課題は「独立基盤形成事業」に採択されたため、所属機関からの研究資金の支払いがあった。 そのため、qMRIを撮影するためのシステムはそちらを採用し、2022年度に使用予定であった研究資金を2023年の遺伝子解析等に割り当てる予定である。
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Research Products
(12 results)