2022 Fiscal Year Research-status Report
Application of chronobiology to uterine leiomyomas and infertility
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22K09556
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
小野 政徳 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70348712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 教授 (30767249)
安藤 仁 金沢大学, 医学系, 教授 (50382875)
西 洋孝 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (60307345)
藤原 智子 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (60310744)
久慈 直昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (80169987)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 概日リズム / 子宮筋腫 / 不妊症 / 性ステロイド / 概日時計 / 時計遺伝子 / 生殖内分泌 / 顆粒膜細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに若年女性の朝食欠食が月経痛と将来の産婦人科疾患を誘発する可能性に警鐘を鳴らした(Fujiwara T, Ono et al. Diagnostics. 2020)。また若年期に月経痛を有した女性は痛みが改善しても妊娠高血圧症候群の罹患リスクが高いことを報告した(Nakayama, Ono et al. J Obstet Gynaecol Res. 2020)。さらにマウス子宮で時計遺伝子が概日リズムを持って発現し、摂食が子宮における末梢概日時計の重要な調節因子であることを報告した(Hosono, Ono et al. Curr Dev Nutr. 2021)。本研究では、子宮内に存在する概日時計の働きが生殖機能に与える影響について解析を進めた。 まず、子宮筋腫と正常子宮筋における時計遺伝子の発現に関する比較解析を行った。具体的には、子宮筋腫によって子宮全摘術を要した患者から子宮筋と子宮筋腫を採取し、それぞれからmRNAおよび蛋白を抽出して、時計遺伝子の発現を比較解析した。また、子宮筋腫と正常子宮筋の初代培養細胞を用いて、時計遺伝子Bmal1をノックダウンすることで、筋腫増大に関わるコラーゲン遺伝子群の発現の変化を追跡した。 また体外受精・胚移植を要する患者の卵巣顆粒膜細胞の時計遺伝子発現解析を行い、卵子発育の障害との関係を解析した。さらに、卵巣顆粒膜細胞細胞株KGN細胞を用いて、Bmal1のノックダウンによってKGN細胞の性ステロイド産生能がどのように変化するかを評価することで、時計遺伝子が性ステロイド産生にどのように関与しているかを調べた。 この研究により、子宮筋腫の発症に関わる分子メカニズムや、時計遺伝子の役割についての理解が深まることが期待される。また、不妊症治療の新しいアプローチ開発にもつながることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト子宮筋腫と卵巣顆粒膜細胞の解析のために倫理委員会の承認を得て、臨床検体を用いて研究を遂行している。今後はさらに詳細に病態メカニズムの解明を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮筋腫の時計機能正常化 子宮筋腫については、NAD+という物質に依存して概日時計遺伝子発現を調節するSIRT1が関与していることが報告されている。子宮筋腫の初代培養細胞に対して、NAD+の合成を促進するニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)やSIRT1活性作用を持つアスタキサンチンを投与し、SIRT1や時計遺伝子、筋腫増大に関わるコラーゲン遺伝子群の発現変化を調べる。
卵巣顆粒膜細胞の時計機能正常化 卵巣の顆粒膜細胞において時計遺伝子が適切に発現することが良質な卵を得るために重要であることが報告されている。そこで、顆粒膜細胞株にNMNやアスタキサンチンを投与して、時計遺伝子発現変化を調べる。さらに、老齢雌マウスにこれらの薬剤投与をして、自然交配率や卵子の体外発生能についてコントロール群と比較し、妊孕性の高い良質な卵を多く獲得するための知見を得ることを目指す。
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Causes of Carryover |
今回の研究計画で次年度使用額が生じた理由として、in vitroでの研究を中心にしたことが挙げられる。翌年度は請求した助成金と合わせてin vivoでの研究、さらには学会・論文発表を計画している。
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[Presentation] 摂餌行動はマウス子宮における概日リズムを調整する2022
Author(s)
細野 隆, 小野 政徳, 大黒 多希子, 三枝 理博, 野村 学史, 鏡 京介, 飯塚 崇, 中田 理恵子, 藤原 智子, 安藤 仁, 藤原 浩
Organizer
第26回日本生殖内分泌学会学術集会
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