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2022 Fiscal Year Research-status Report

風疹ウイルスレセプターの同定と体内伝播メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 22K09586
Research InstitutionNational Institute of Infectious Diseases

Principal Investigator

森 嘉生  国立感染症研究所, ウイルス第三部, 室長 (40379095)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords風疹ウイルス / 膜融合 / 侵入 / スフィンゴミエリン / SMS1
Outline of Annual Research Achievements

風疹ウイルスの細胞侵入に関与する宿主因子を同定するため、ヒト胎盤絨毛癌細胞を用い、CRISPR/Cas9によるゲノムワイド遺伝子ノックアウトスクリーニングを実施した。その結果、SMS1が候補として同定された。SMS1はスフィンゴミエリン合成酵素であり、本ノックアウトにより細胞中のスフィンゴミエリン量が大幅に低下する。ヒト胎盤絨毛癌細胞JAR細胞ではSMSファミリーのうち、SMS1のみが発現している。本細胞ではSMS1のノックアウトにより風疹ウイルスの細胞侵入は検出されなくなるが、SMS1もしくはSMS2の過剰発現により侵入が回復した。HeLa細胞ではSMS1およびSMS2の両方が発現しているが、両方のノックアウトによって完全に風疹ウイルスの侵入が阻止された。このことはSMSファミリーは風疹ウイルス感染に冗長的に働いていることを示唆している。風疹ウイルス粒子のエンベロープを自己消光濃度の蛍光脂質でラベリングし、膜融合時のlipid mixingを検討したところ、SMS1ノックアウト細胞でもコントロール細胞と同様にlipid mixing自体は生じていた。しかし、その後のヌクレオキャプシドの放出過程を、ゲノムRNAのin situ hybridizationならびにE1タンパク質の蛍光抗体染色を用いて検討したところ、SMS1ノックアウト細胞では、ヌクレオキャプシドの細胞質への放出が認められなかった。このことは風疹ウイルスの完全な膜融合とヌクレオキャプシドの細胞質内への放出に宿主のスフィンゴミエリンが必須であることを示唆するものであった。スフィンゴミエリンによって風疹ウイルスの侵入が
厳密に制御されていることから、SMSファミリーは風疹および先天性風疹症候群の治療の有用なターゲットになりうるものと考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

風疹ウイルスの細胞侵入を厳密に制御する因子の同定を行い、論文発表を行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

今後は風疹ウイルスの体内トロピズムを説明できる受容体因子等の解析を行う予定である。ゲノムワイドのCRISPR/Cas9によるノックアウトスクリーニングでは同定ができなかった。その原因としては、1)風疹ウイルスが複数の宿主因子を受容体として利用できるため、単一遺伝子のノックアウトでは侵入を阻止できない。2)受容体のノックアウトが細胞に致死的もしくは増殖抑制的に働くことなどが考えられる。現在、これらの問題点を克服できるような方法を開発し、スクリーニングを実施している。

Causes of Carryover

年度末納品等にかかる支払いが、令和5年4月1日以降となった。当該支出分については次年度の実支出額に計上予定である。残金は次年度の研究である受容体の同定に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Membrane Sphingomyelin in Host Cells Is Essential for Nucleocapsid Penetration into the Cytoplasm after Hemifusion during Rubella Virus Entry2022

    • Author(s)
      Mori Yoshio、Sakata Masafumi、Sakai Shota、Okamoto Toru、Nakatsu Yuichiro、Taguwa Shuhei、Otsuki Noriyuki、Maeda Yusuke、Hanada Kentaro、Matsuura Yoshiharu、Takeda Makoto
    • Journal Title

      mBio

      Volume: 13 Pages: e01698-22

    • DOI

      10.1128/mbio.01698-22

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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