2022 Fiscal Year Research-status Report
全国調査による頸動脈小体腫瘍の遺伝子変異の全貌解明と治療ガイドライン作成
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22K09711
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
片桐 克則 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (10455842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 清人 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10187338)
竹越 一博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40261804)
齋藤 大輔 岩手医科大学, 医学部, 助教 (40722715)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 頸動脈小体腫瘍 / 某神経節種 / SDH遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
頸動脈小体腫瘍(傍神経節腫)症例から得られた手術検体または血液検体から,今までに傍神経節腫で変異が報告されているSDHA,SDHB,SDHC,SDHD,SDHF2,VHL,NF1,RET,FH,TMEM127,MAX,IHD1,KIF2,HRAS,HIF2,PHD2の16遺伝子につき変異を解析した。69例の検索を完了し,69例中41例(59.4%)に遺伝子変異が認められた。最も頻度の高いものがSDHD27例(39.1%),次いでSDHB12例(17.4%),SDHC,VHLが各1例(1.4%)であった。SDHD変異例では家族例が4例(14.8%),両側例が9例(33.3%),他部位多発または転移例が6例(22.2%)で認められた。SDHB変異例では家族例1例(8.3%),両側例は0例,他部位多発または転移例が2例(16.7%)で認められた。一方変異なし症例(69例中の28例)では家族例は一例も認められず,両側例は2例(7.1%)であった。変異なし症例に比べ,SDHD変異を有する症例で家族例,両側例,多発転移例が多い傾向を認めた。 手術症例ついての手術所見からの検討では,頸動脈小体腫瘍の栄養血管として,上行咽頭動脈,上甲状腺動脈,後頭動脈,次いで外頸動脈からの直接の分枝動脈が多いことが分かった。これら腫瘍と血管との関連が,遺伝子変異との相関については今後の検討課題である。また多施設共同研究のためのレジストリー開設の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既知の16遺伝子につき変異の有無を69例で検索を終了することができたため,概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子解析で傍神経節腫における既知の16遺伝子変異がどれも認められなかった症例に対して,NGSを用いてwhole genome sequnceを解析し,原因遺伝子の探索を行う。また得られたデータを基に日本における頸動脈小体腫瘍症例の遺伝子変異のマッピングを行う。 また,遺伝子変異と,手術所見,画像所見を対比検討し,手術困難例の予測等治療における問題点を明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナ感染対策により,学会参加が少なく,研究補助を使用しなかったこと,また試薬の新規購入がなかったため。次年度は学会発表のための旅費,試薬の購入で使用する計画である。
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