2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of periodontal tissue destruction by ACPA derived from patients with rheumatoid arthritis and periodontopathogenic bacteria-related proteins
Project/Area Number |
22K09983
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
應原 一久 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (80550425)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 幹郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (10336175)
小澤 龍彦 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (10432105)
平田 信太郎 広島大学, 病院(医), 教授 (90525461)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 歯周炎 / 関節リウマチ / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの先行研究から歯周炎が全身疾患に悪影響を及ぼすことが明らかになり、歯周炎治療が健康寿命の延伸、QOLの向上に寄与するといったエビデンスが構築されてきた。なかでも、関節リウマチ(RA)増悪には歯周炎(Porphyromonas gingivalis (Pg)感染)に関連する様々な病原因子が関与している。また、臨床的にRA治療が歯周炎臨床症状を改善するという報告があるがそのメカニズムは明らかにされていない。そこで、本研究課題では歯周炎の増悪にRAで上昇する病原因子が関与している可能性に焦点を当てる。具体的には、シトルリン化タンパク質(CP)について、①RA患者で上昇している内因性CP(eCP)、Pgが生成するCP(pCP)、②これらと結合する自己抗体(anti-citrullinated peptide/protein antibody : ACPA)、③両者からなる免疫複合体が歯周組織の炎症、歯槽骨破壊に影響しているのかin vitro、in vivoで検討する。また、歯周炎患者歯周組織中のeCP、pCP量を測定し、歯周炎活動度、RA発症リスクの新たなマーカー構築を目指した。本年度は、計画1 Pg感染関節炎マウス(Pg-RAマウス)の歯周組織におけるCP、ACPAの局在、計画2 Pg感染マウスに対するCCP-Ab1 adaptive transferによる歯周組織観察、計画3 単球系細胞、歯肉線維芽細胞のCP、CCP-Ab1に対する免疫応答についての検討を行った。計画1について、歯周炎モデルマウスの歯周組織から健康マウスの元比較してCP、ACPAが上昇していることを突き止めた。また、計画2に関して、ACPAを静脈内投与することで、歯周炎の増悪が認められた。更に計画3について、単球系細胞はCPU、ACPAをの刺激に対して炎症性サイトカインを誘導することを突き止めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画1 Pg感染関節炎マウス(Pg-RAマウス)の歯周組織におけるCP、ACPAの局在、計画2 Pg感染マウスに対するCCP-Ab1 adaptive transferによる歯周組織観察、計画3 単球系細胞、歯肉線維芽細胞のCP、CCP-Ab1に対する免疫応答についての検討を行った。計画1に関して、歯周組織の免疫組織化学染色での観察を行い。実験2に関しては、マウス尾静脈からCCP-Ab1 adaptive transferの手技を確立した。更にマウス大腿骨骨髄由来の単球系細胞を採取し、破骨細胞分化へのCCP-Ab1の影響に関しても検討を行い、破骨細胞分化が亢進することを突き止めた。以上のことから研究計画が順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は今年度に確立した、Pg感染マウスに対するCCP-Ab1 adaptive transferによる歯周組織観察を行う。具体的には、上記モデルの歯周組織において、投与したCCP-Ab1、eCP、pCP局在をELISA、蛍光顕微鏡で観察する。以上から、リコンビナントCCP-Ab1が歯周組織(歯周炎部位)に集積していることを明らかにする。また。単球系細胞、歯肉線維芽細胞のCP、CCP-Ab1に対する免疫応答について検討を行う。具体的には、CPが滑膜由来線維芽細胞の自然免疫レセプター系toll-like receptors (TLRs)と結合する可能性が分かっている。またACPAを含むIgGや免疫複合体はFcγRに結合する。そこで、in vitroの系でマウス大腿骨髄由来単球系細胞(mBMC)、ヒト歯肉由来線維芽細胞培養時にCP、CCP-Ab1および実験的に作製した両者からなる免疫複合体(CP-IC)を添加し、細胞応答について検討する。抗体IgGのFc部分の結合が影響している可能性を考え、mouse Fc receptor(FcγRI, IIB, III, IVそれぞれCD64, CD32, CD16, CD16-2)中和抗体存在下での反応を検討する。これまでの申請者の研究から、歯周組織に歯周病原細菌由来病原タンパク質(OMPs、gingipain、LPS)やこれらに対するIgG、両者からなる免疫複合体が局在し、病原性に関与することが分かっている。そこで、CP、CCP-Ab1、CP-ICと歯周病原細菌由来Omps、IgG、両者からなる免疫複合体Omps-ICの細胞応答について比較する。以上のことから、CP、CCP-Ab1、CP-ICが単球系細胞の炎症性サイトカイン発現に強く影響すること、そのメカニズムについて明らかにする。
|
Causes of Carryover |
実験動物モデルの確立のために動物購入を予定していたが、予備実験回数を少なくし、実験モデルが確立できたので次年度使用額が生じた。余剰分は、臨床サンプルの解析に使用する予定としている。
|
Research Products
(12 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] porphyromonas gingivalis由来ジンジパイン抗体の歯周組織破壊への影響についての検討2022
Author(s)
田村 哲也、應原 一久, Ruoqi Zhai, 竹村 翼, 谷口 友梨, 濱本 結太, 藤森 良介, 加治屋 幹人, 松田 真司, 宗永 修一, 藤田 剛, 水野 智仁
Organizer
第65回 秋季日本歯周病学会学術大会
-