2023 Fiscal Year Research-status Report
Sensory motor integration in the recovery process of tongue function – exploring the active touch -
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22K10053
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
真柄 仁 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90452060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
島田 明子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00452871)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔運動 / 嚥下運動 / 口腔機能低下症 / 経頭蓋磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,運動感覚障害から回復プロセスの促進機序の解明を目的として,体性感覚や視覚等の感覚情報入力の制御が重要であることに着目し,運動遂行の巧緻性と感覚入力制御の効果の検証を目的としている. 当該年度初めには,舌筋の記録を試みた吸引型の表面電極の有効性を検討した内容について,英文誌J Oral Rehabilに受理された.これを受け,同電極を利用して,まずは舌抵抗訓練を模した反復的舌圧発揮時の運動遂行のみをおこなった際の,嚥下関連筋の活動様式の定量的な評価,および大脳皮質運動野に与える影響について検討を行った.健常成人10名を対象に,最大舌圧の80%舌圧値で,10秒間の舌圧発揮と10秒間の休息を連続して10回繰り返すタスクを1セッションとし,セッション間には休息を10分間設け,計3セッションを実施することを運動課題とした.記録の対象は,舌筋,舌骨上筋の筋活動と,各筋における経頭蓋磁気刺激誘発性の運動誘発電位(MEPs)とした. 反復的舌圧発揮時の筋活動量,平均周波数について,1回目~3回目のセッション間で比較したところ,筋活動量の変化については舌筋および舌骨上筋いずれも認められなかった.一方で,平均周波数は舌筋において3回目で有意に低下,舌骨上筋の変化は認められなかった.また,MEPsについて,各セッション後に計測したものを比較したが,舌筋,舌骨上筋のMEPsに変化は認められなかった. 比較的強い持続的な舌圧発揮を連続的に行うことは,皮質延髄路の活動性の指標であるMEPsを大幅に向上させることを仮説として実施したが,その結果は得られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
吸引型の電極によって,舌筋の筋活動や運動誘発電位は安定して記録ができている一方で,運動課題の遂行と,感覚運動野の可塑性変化,皮質延髄路の興奮性の指標であるMEPsとの関連が示せていない.よって感覚入力の変化の影響やアクティブタッチの検証まで至っていないことが理由である.
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Strategy for Future Research Activity |
舌筋の運動誘発電位の記録は吸引型の電極を双極性に貼付して行っていたが,吸引型の電極を改良することで,より局所の筋活動の記録を正確に行うことが可能となった. また,舌圧発揮の運動強度が強すぎることで,中枢神経系または末梢の筋機構に生じた疲労が影響している可能性が考えられたため,強度を弱めた運動課題でMEPsに何らかの変化が生じるか否か,併せて運動遂行の巧緻性との関連性を検討する.得られた結果から,有効な運動課題を実施した際の,感覚入力の変化の影響について検証する.
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Causes of Carryover |
消耗品の購入が予算を下回ったため,次年度に繰り越しとなったが,次年度の早い段階で使用予定である.
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