2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of sodium alginate bonded mounted wheel for dry precision polishing of pure titanium
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22K10086
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
佐藤 秀明 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (00196263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石幡 浩志 東北大学, 歯学研究科, 助教 (40261523)
小正 聡 大阪歯科大学, 医療保健学部, 准教授 (70632066)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Dental prosthesis / Pure titanium / Dry precision polishing / Mounted whee / Surface roughness / Sodium alginate |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,純チタンの乾式精密研磨を可能にするための,アルギン酸ナトリウムを結合剤に用いた新たな軸付き砥石の開発に必要な基礎資料を構築する.結合剤に用いるアルギン酸ナトリウムは,食品添加物であり,砥石自体も生体に安全である.純チタンは,生体親和性および耐食性に大変優れ,金属アレルギーの発症が極めて少なく,生体に安全な材料である.このため,金属アレルギーの治療には大変有効ではあるが,極めて加工が難しい難削材である.よって,臨床においては,その使用が敬遠されがちである. そこで,本研究においては,歯科医師および歯科技工士が,生体に安全な歯科用純チタンの精密研磨に適し,かつ研磨液を不要とする乾式精密研磨用軸付き砥石の研究を行う.さらに,開発した砥石の研磨特性を検討し,純チタン製の歯科補綴装置の最終研磨に必要である高精度の乾式研磨加工を行うことができる歯科技工用軸付き砥石の開発を行った. 本年度は,昨年度に引き続き,アルギン酸ナトリウムがゲル化する性質を利用した砥石の製作方法を検討し,その製作方法の構築を目的とした.始めに,砥石の3要素である砥粒率,結合剤率および気孔率を設定した.次に,砥石の寸法および体積を設定した.これらの数値と,砥粒および結合剤の密度から,設定した3要素の体積比を有する砥石の製作に必要な砥粒および結合剤の質量を算出した.製作前における砥粒率および結合剤の質量比は,砥石の乾燥後ならびに成形後においても,変化しないと仮定した. 砥粒にはGC(SiC)砥粒を使用して,軸付き砥石の製作を行った.粒度は#1200(平均粒径9.5ミクロン)である.製作した軸付き砥石を用いて,JIS2種純チタンの試験片を圧力切込加工により研磨加工を行った.加えて,製作した軸付き砥石の圧裂引張試験を行い,砥石の圧裂引張強度を測定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,砥粒にGC(SiC)砥粒を使用した.その粒度は#1200(平均粒径9.5ミクロン)である.気孔率は50vol%に設定した.結合剤率(vol%)は,3~16vol%に設定した.各要素の質量は,設定した各要素の体積比から算出して,軸付き砥石を製作した.砥石の成形後に,砥石の寸法と質量を測定し,製作した砥石の砥粒率,結合剤率および気孔率を算出した. 製作した軸付き砥石を用いて,JIS2種純チタンの試験片を圧力切込加工による研磨加工を行った.研磨条件は,砥石周速度V=3m/s,押し付け荷重F=1.47N,研磨液の流量Q=0mL/min,研磨時間t=300s,バイスストロークL=20mm,試験片往復回数N=15回/min,試験片送り速度v=15.7mm/sである.試験片の初期の算術平均粗さRaは,Ra=1.0ミクロンに設定した. 結合剤率が10vol%の砥石を用いて,300s研磨した結果,算術平均粗さRaが減少し,Ra=0.208ミクロンとなった.結合剤率が11vol%の砥石を用いて,300s研磨した結果,算術平均粗さRaが減少し,Ra=0.174ミクロンとなった.目標の算術平均粗さRaは,Ra=0.2ミクロンであり,この2種類の砥石は,目標の算術平均粗さRaに,ほぼ到達したと言える.これより,歯科補綴装置に要求される表面粗さが得られた. 手動式の油圧式プレス,一軸のロードセル,レーザー変位計を用いて,製作した軸付き砥石の圧裂引張試験を行った.これより,結合剤率と圧裂引張強度の関係を明らかにすることができた.結合剤率が大きくなると,圧裂引張強度が大きくなった.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,砥粒にGC(SiC)砥粒を使用した.粒度は#1200(平均粒径9.5ミクロン)で,結合剤率(vol%)を,3~16vol%に設定した.次年度以降は,結合剤率を大きく設定して,砥石の製作を行い,砥石の製作が可能となる最大の結合剤率について検討を行う.結合剤を大きくした砥石を用いて研磨を行い,結合剤率と研磨特性の関係について検討する.研磨条件も変化させて研磨を行い,最適な研磨条件について検討する.また,砥石の成形時に,砥石が破壊することがあったので,砥石の品質向上を目指して,砥石の製作工程の改良を行うと共に,砥石の製作時に,ゼラチンを結合剤に添加し,砥石の強度を増加させることを目的とした新たな砥石の製作方法について検討する. ならびに,砥粒の粒度番号を小さく,すなわち砥粒の粒径を大きくして,砥石の製作,研磨実験および圧裂引張試験を行い,目標の算術平均粗さRa=0.2ミクロンを下回ることができる軸付き砥石の開発を行う. さらに,結合剤の砥粒保持力を評価するため,砥石の摺動試験方法を考案する.砥石の特性として,結合剤が砥粒を保持する力は大変重要であるが,その力の測定は極めて難しく,直接測定は不可能である.結合剤の砥粒保持力が減少すると,砥粒の回転や傾きが発生し,研磨特性に大きな影響を及ぼす.そこで,砥石を回転をさせずに,砥石に力を与えながら,試験片に押し付けて摺動を行い,砥石の摩耗を測定する試験法を考案する.この砥石の摺動試験方法により,砥石の摩耗量の測定を行う.砥石の摩耗量が小さくなると,砥粒保持力が大きくなると予測できる.これより,結合剤の砥粒保持力の大小の間接的な評価が可能になると思われる.製作した砥石を用いて,研磨,圧裂引張試験および砥石の摺動試験を行い,3者の関係を明らかにし,砥石の設計に必要な基礎資料の構築を行う.
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Causes of Carryover |
研磨面の表面粗さおよび光沢度を測定し,その評価を行っている.歯科技工で使用されているバフを用いて,砥石による研磨後に使用すると,さらに光沢度が増加する.2023年度において,光沢度に加えて,色彩色差計を用いて研磨面を評価しようと考え,機種を検討したが,この検討に時間がかかってしまった.このため,2024年度に購入を検討しており,最適な機種があれば,購入する予定である.
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Research Products
(2 results)